Lire en FETE - フランス語の本の読書ガイド

フランスの現代作家の小説、BD(フランス漫画)を中心に、私が読んだフランス語の本を紹介

漫画と呼ぶのを躊躇わせる程、文芸的で、魅力的なBANDE DESSINEE

Coup de coeur

fumee
   「Un peu de fumée bleue...」
ストーリー : Denis Lapière
 作画 : Pellejero
出版社 : Dupuis
ISBNコード : 2800129735
表装 : ハードカバー(24x1x32)56頁
 


 本の内容☆☆☆18/20
 フランス語難易度易しめ
 読みごごち♪♪♪ すらすら読めました

(上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい)



この漫画の舞台は、ヨーロッパの不特定の国。
あちこち旅行しながら写真を撮っているカメラマンが、閉店間際の山の上のホテル・レストランに足を踏み入れる。レストランには、トランプをしている3人の男、酔いつぶれるまで飲んでいる男しかいなく、閑散としている。

ホテル経営者の娘、Laure(ロール)の目の前のテーブルには、言葉が書かれた数本のタバコが並べられている。Laureは、その中の1本のタバコを手取り、火をつける。たばこに書かれているのが、Tristan Corbière (トリスタン コルビエール)の詩の一節である事に気がついたカメラマンは、娘に尋ねる。
「どうして、タバコに、詩が書かれているの?」

この問いをきっかけに、Laureは長い打ち明け話を始める。

このホテル・レストランがある場所は、バスの終着駅。
山の上の刑務所に、政治犯が収容されていた頃は、政治犯の妻や母親たちが、このホテル・レストランに泊まっていた。囚人たちは、3日おきに、刑務所から、近くにある兵舎まで、トラックで運ばれ、拷問を受ける事になっていた。刑務所から出たトラックは、険しい山道にさしかかると、自然とスピードを落とす。
運がよければ、その場所で、囚人の母親や妻は、トラックの荷台に乗っている、家族の顔を見、言葉をかけたり、物を渡したりする事が出来るため、囚人の家族は、その場所で、トラックを待つのが習慣になっていた。

この刑務所に収容されていた囚人は、留置されている日数の代わりに、何回トラックに乗ったかを数えるのが慣わしとなっていた。噂によると、37回まで、持ちこたえた囚人がいるとか・・・
家族が会いに来る囚人は、他の囚人より、長く生き延びる事に気づいたLaureは、家族のいない囚人たちの面倒を見る事に決意する。そして、他の女性達に混じって、トラックを待つのがLaureの日課となった。
  
そんなある日、Laureは、トラックに乗っていた、囚人のLudvik(ルードヴィック)に恋してしまうようになる。
彼にタバコを手渡し、心が通い合うようになった頃、 Laureは、毎回渡す1本のタバコに、詩を1行ずつ書く事を思いつく。 「詩が終わるまでは、死なないで」 彼女のメッセージを理解したLudvikは、手渡されたタバコは吸わずに大切にとっておいた。

やがて、クーデターが起こり、政治犯らは釈放された。
LaureとLudvikは、山の上のホテル・レストランを離れ、都会で暮らし始める。
Laureは、ウェイトレスとしての仕事を見つけ、二人は幸せな暮らしのスタートを切ったはずだったのだが・・・


これは、絵で読む文学作品。

版画を思わせる、輪郭の太い絵。 普通の漫画とは、一線を画している、アートっぽい絵が ストーリに力を与えています。
ストーリー、絵、コマワリの仕方、読み心地、何一つ文句をつける事が出来ないくらい完成されている作品だと、私は思いました。

政治的で暗いテーマを扱っているけれど、人間の心理に焦点を置いてストーリーが構成されているので、全然、生々しくないし、難しくなく、快く、感動の渦に身を任せることが出来ます。
恋愛小説が苦手な私をうならせた、人間の心の奥にある琴線を揺さぶる、繊細でかつ力強い作品です。

悲劇的な話しなのですが、ラストがいいので、後味が悪くなく、感動だけが、余韻となって、いつまでも心に残ります。
又、一般的なフランス漫画と比べると、とても読みやすい作品でした。

巻末に、ストーリーを担当した、Denis LAPIERE 氏による、作品及び作中人物に関する解説が載っています。 私は、この解説により、作品及び、著者への理解を深めることが出来ました。

とても魅力的な1冊でした。

Denis Lapièreの作品に関する記事

Ruben Pellejeroの作品に関する記事

 | HOME | 

文字サイズの変更

INDEX

全記事表示

著者名索引

カテゴリー 別索引

お勧めのフランス語の本

多読向きのフランス語の本


Lemon.fr へメッセージを送る


プロフィール

lemon.fr

Author:lemon.fr
日本語の本が入手しづらい環境にありながら、活字中毒症から抜け出す事が出来ないため、フランス語の本を読んでいます。
Lemon.frのもっと詳しいプロフィールを見る


私が実際読んでみて感じたままに、独断と偏見で評価しています。
もし、あなたの評価と違ったらごめんなさい。m(_ _)m


このブログはリンクフリーです。事前に承諾をとらなくて結構です。 
でも、「リンクしたよん」と言って頂けると、とっても嬉しいので、お暇がありましたらご連絡下さい。

本ブログでは、コメント、TBは受け付けておりません。ご意見は、こちらから、お願いします 

本ブログの記事を、引用、転記する場合には、引用元を必ず明記下さるようお願いします。

star



ブログ内検索

カレンダー & アーカイブ

プルダウン 降順 昇順 年別

06月 | 2008年07月 | 08月
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -


ソーシャルブックマーカー


SEO対策

アマゾン・フランスで本を検索

リンク

このブログをリンクに追加する

RSSフィード

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

カテゴリー

青空文庫新着(本棚)

今日のレシピ

ホームページ アフィリエイト レンタルサーバーFC2ブログ 専門学校

Template by たけやん