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ダニエル ぺナック著「Des chretiens et des Maures」について

2009.04.15 Wed

本ブログの読者のSoraさんから、ダニエル ぺナックの「Des chretiens et des Maures」の感想を書かれたメールをいただきました。 
私が独り占めしてしまうのが、もったいないなぁ・・・と思った、読書の参考にもなる素敵な内容でしたので、Soraさんの許可の上、以下、転載する事にします。


これから転載開始

Daniel Pennac < Des chretiens et des Maures > を読み終わりましたので、また少し感想を書いてみたいと思います。

この作品は、文句なしに面白かったです。短編ですが、非常に多様な要素が含まれていて、読み手の教養(?)を問われる作品でした。 Lemon さんが書かれていたように、難しい表現が随所に出てきて、また、フランス初心者には難しい医学用語、比喩的表現、小さい辞書には出ていないスラングも多かったです。

しかしまずもって、ハーマン・メルヴィルです。
メルヴィルを読んだことがない(名前だけは聞いたことがありましたが)ため、< Bartleby > の意味するところが、当初は、よく理解できませんでした。 なので、図書館で探して
< Bartleby > を読んでみました。日本語で。
この< Bartleby >を読んだことで、Le Petit の心理が理解できました。もちろん、Benjamin の置かれた状況と狼狽ぶりも理解できました。 同時に、< Bartleby >は、作家にとって「筆を折る」という比喩を意味する作品です。ペナックがを引用したのは、単にLe Petit の心理を表現するためだけでなく、作家として常に恐怖心を煽られる作品として、引き合いに出した、ということではないかと思いました。 < Bartleby >は、大変哲学的な作品で、この作品の引用が、コミカルで軽い< Des chretiens et des Maures >に、重層的な奥行きを与えているように思います。 それも、Je prefererais mon papa. という条件法への考察から発展していくくだりは、原書ならではの味わいでした。 翻訳だと、どういうニュアンスで訳されるのか、と思います。
また、作中に出てくるアメリカ人作家のジェローム・チャーリンは実在する作家だそうで、こちらも読んだことはないのですが、興味を引かれました。

このマロセーヌ一家シリーズは、ほかを読んでいないので何とも言えませんが、ペナックのキャラクターの設定の仕方が、とてもチャーミングだと感じました。
機知に富んだバンジャマン、知的でユーモアセンスのあるルゥサ。言葉遣いはとても軽快で、リズミカルなストーリー展開が、とても小気味よく感じました。
難しい言葉が頻出し、テンポよく読んでいくという感じにはなれませんでしたが、1/3を過ぎたあたりで、加速度的にお話に引き込まれて行きました。まさに、アメリカンコミックを読んでいるようなイメージ。 そして、マンガ的ともいえるエンディングは、思わず、「そうか、その手できたか!」と唸らされました。
機会があれば、ぜひマロセーヌ一家シリーズの別の作品を読んでみたいと思います。


転載ここまで。

恥ずかしい事に私は、メルヴィルの「Bartleby」を未読なので、「Des chrétiens et des Maures」に、「Bartleby」がこんなに深い意味を投げかけていたとは、気がつかなかったので、大変に参考になりました。
それにしても、ぺナック氏は、かなり「Bartleby」に、傾倒しているようで、現在、パリのPépinière劇場で、ダニエルぺナック・脚色・出演、François Duval・演出の「Bartleby Le Scribe」が、上演されています。 ネットで調べたところ、なかなか好評なようで、5月16日まで上演される予定になっているようです。 下記のサイトでは、この上演に関する、ぺナック氏のインタビューを読む事が出来ます。 

http://www.theatrorama.com/2009/03/bartleby-mhabite-depuis-toujours/

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テーマ:フランス語の本 - ジャンル:学問・文化・芸術

タグ:ダニエル ぺナック

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