Lire en FETE - フランス語の本の読書ガイド

フランスの現代作家の小説、BD(フランス漫画)を中心に、私が読んだフランス語の本を紹介

「Japon : Le Japon vu par 17 auteurs」

Japon
   「Japon : Le Japon vu par 17 auteurs 」
 編者  : Frédéric Boilet
出版社 : Casterman
ISBNコード : 2203396261
表装 : ソフトカバー(17x 24)254頁




 本の内容☆☆13/20
 フランス語難易度#〜♯♯易しめ〜普通
 読みごごち♪〜♪♪♪ .ちょっとしんどい〜すらすら読めました

(上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい)>



フランス人漫画家と日本人漫画家が、日本の各都市をテーマに書いた8ページほどの短編漫画集。
(目次は、記事の最後に記載しますので、興味がある方は、『read more』 をクリックしてね)

去年の暮れに出版されたこの本は、フランスでかなり話題になり、あちこちで、紹介されているのを見かけました。

この本、ブロガーの18èmeさんが、「Coucou rou Coucou」というブログで、ご紹介されていました。
(18èmeさんのブログは、リンクから、どうぞ)
その記事を読んで、私も、この本購入しようかと、随分迷い、本屋で立ち読みしたりしたのですが、この内容で、このお値段はちょっとお高め、という第一印象。クリスマス前で、懐がとても寒かった事もあり、多分図書館に入るから、その時借りて読もう、と涙ながら購入をあきらめました。

予測が見事当たり、この本、図書館に入館したのですが、予約が、かなり入っていた様で、予約して待つこと、1ヶ月。
やっと読む事が出来ました。

このプロジェクトに参加したフランス人は、この本に掲載されている漫画を描くため、それぞれ2週間程、日本に滞在したとの事。

この本の最後に掲載されている、 Etienne Davodeau氏の親戚の方に、伺ったお話では、Davodeau氏は、どこへ行くのか事前に知らされず、飛行機に乗せられて、たった一人で札幌に放り出され、指定された宿舎はホテルでなくて、大学都市の宿舎の様な所。初めは、食事を取るのですら、大変だった。おまけに思ったより寒くて、あわてて服を買った。
という事ですが、この本に寄稿されている他の、フランス人、漫画家の方は、日本在住のフランス人や、アリアンス・フランスの方にかなりお世話になっているみたい。

この待遇の差は、どこから来てるのかしら?

と、ちょっと気になりましたが、たった一人で、全く言葉も習慣も分からない日本に放り出された、 Davodeau 氏 の作品、かなり光っているので、苦労は報われたみたい。

この本を読み終わって得た感想は、フランスの出版社が企画しただけあって、この本は、フランス人向き。

フランス人が、『フランス人向きな作品を描いている日本の漫画家』と、『自己表現の方法として漫画を作品を描いているフランス人漫画家が斜めに見た日本』を知るために編集されている本。
という印象を受けました。

この本を読み終わったフランス人のティーンエージャーは、
「日本人漫画家のほうが断然絵がうまい漫画家ばかり選んでるんで、やんなっちゃう」と言っていましたが、彼の指摘は、ホント的を得ていると思います。

フランス人漫画家のチョイスは、絵の華麗さよりも、「普通の旅行記」の枠を超えた「日本旅行記」が書ける事を基準に選んでいる様なカンジ。 

だから、素敵な絵のフランス漫画を読むことを期待して、この本を買った日本人読者は、ちょっとがっかりするかも。又、「現在フランスで人気の絵がきれいな漫画がどういうものなのか、知りたい」、という期待には、そぐえないかもしれません。

でも、だからといって、この本に漫画を寄稿した、漫画家がフランスではマイナーな存在の漫画家ばかり、というわけではありません。

先にあげた、 Etienne Davodeau氏は、「Mauvais gens」で、2006年アングレム漫画フェスティバルで、『Prix du public』 と、『Prix du meilleurs sénario』 を獲得したのを初め、いくつもの賞を受賞したし、(「Mauvais gens」についての記事はこちら
Emmanuel Guibert  氏が、アフガニスタンのジャーナリストをテーマに描いた「Le Photographe」という作品も『Prix de la Bande dessinée d'actualité de France Info』をはじめ、いくつかの賞を獲得しています。

両氏共、現在一気に超有名漫画家の仲間入りをしてしまったので、現在なら、多忙で、この様なプロジェクトに参加する事は出来ないかも・・・

Joann Sfar氏の「Le Tokyo d'Oualtérou」に、出てくる、普通の日本旅行記では、絶対に読むことの出来ない、斜めに見た日本観は、なかなかユニーク。

作中に出てくる日本のInstitut françcais に、勤めているフランス人に対する考察や、
「日本は、マフィア(やくざ)がマフィアとわかる格好をしている世界唯一の国」
「ブランド品で着飾って超金持ちに見える人も、実は、4畳半に住んでるなんて事もある」
等などの、鋭い(?)指摘には、日本滞在の経験があるフランス人が、読んで、ゲラゲラ笑っていました。

本書の選者である、Frédéric Boilet 氏が、友人達と、フランス時代に作っていたサークルを元にしたという作品、
Emmanuel Guibert氏の「Shin Ichi」は、読んだ後、もしかしたら、主人公は、 Frédéric Boilet氏の事?
等と、勝手に想像を膨らませたくなる作品。

タイプの違う作品が入っているので、どれがベストと言われても、比べるのが難しいのですが、
あえて、私が選んだベスト作は、フランス人漫画家では、Etienne Davodeau 氏の「 Sapporo Fiction」
日本人漫画家では、Jirô Taniguchi 氏の「Ciel d'été(夏の空)」と、漫画というより、日本の民話に近い、Taiyô Matsumoto 氏の「 Kankichi」です。

あなたは、どの漫画がお気に入り?  
収録作品

Kan Takahama
「Au bord de la mer」

David Prudhomme
「Porte d'entrée」

Jirô Taniguchi
「 Ciel d'été」

Aurélia Aurita
「Je peux mourir, maintenant !」

François Shuiten et Benoît Peeters
「Osaka 2034」

Emmanuel Guibert
「Shin Ichi」

Nicolas de Crécy
「Les Nouveaux Dieux」

Taiyô Matsumoto
「Kankichi」

Joann Sfar
「Le Tokyo d'Oualtérou」

Little Fish
「Le Tournesol」

Moyoko Anno
「Le chant des grillons」

Frédéric Boilet
「Dans la ruelle Amour」

Fabrice Neaud
「La Cité des arbre」

Daisuké Igarashi
「La Fête des chevaux-grelots」

Kazuichi Hanawa
「Dans la forêt profonde」

Etienne Davodeau
「Sapporo Fiction」

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もし、あなたの評価と違ったらごめんなさい。m(_ _)m


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