中国人女スパイと、アメリカ人男性、フランス人政治家が織りなすスパイゲーム
2006-02-04
「Les conspirateurs」
著者 : Shan Sa
出版社 : Albin Michel
ISBN-10 : 2226167250
ISBN-13 : 978-2226167255
表装 : ソフトカバー(13x2x20) 288頁
| 本の内容 | ☆☆ | 15/20 |
| フランス語難易度 | ♯♯ | 普通 |
| 読みごごち | ♪♪♪ | すらすら読めました |
(上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい)
天安門事件のリーダの過去を持つ中国人女スパイ、Ayamei。
[彼女を自由に操る様、心を奪え]、との使命を受けたアメリカ人 Jonathan。
Ayameiの罠にはまりながらも、フランス政界の出世階段をトントン拍子に登って ゆく フランスの若い政治家 Philippe。
この3人が織りなす、スリリングな小説。
この作品は、クラシックなタイプのスパイ小説ではありません。
諜報活動の詳細よりも、作中人部らの心理描写が作品の大半を占めているので、 どちらかいうと、諜報活動に身を置く者達を作品中心に据えた心理小説と形容した方が 、この作品の本質を表しているかもしれません。
私は、一般的には心理小説が苦手。 作中人物のモノローグを読んでいると、
「何 、 ぐじゅぐじゅと訳のわからない、ひとりよがりの事言っているんだ!」と
叫びた く なってしまうのです。
でも、それにもかかわらず、この作品は、大変面白く読むことが出来ました。
登場人物の機敏な心の動き、野心、過 去の トラウマによる影響等などが、手にとりわかる様に、簡潔だけど、表現力に溢れ た文 章で展開されているので、退屈なんて言葉は、影も形も見せず、知らず知らずの うち に、作中人物に感情導入していってしまいました。
騙したはずが、騙されて、騙されたふりをして、騙して・・・という、スパイ達 の ゲーム、それを演じる者達の姿に加え、激動する現在の中国の様子が、秀逸な表 現 で、展開されるので、最後まで、読者を釘付けにして離しません。
そして、ラストがいい!!!
読者に作品の余韻をたっぷりと残してくれる、見事なラストです。 この小説が英語訳されたなら、ハリウッドの映画製作会社が、先を争って映画化 権を 手に入れ様とするのではないかと思われる様な、ドラマチックでスリリングな作品でした。
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