フランス語の口語表現の語源を集めたエッセイ集
2008-07-17
- 「La Puce à l'oreille : Anthologie
著者 : Claude Duneton
出版社 : LGF (Livre de poche)
ISBN-10: 2253027049
ISBN-13: 978-2253027041
表装 : ペーパーバック(11x2x18) 506頁
作品評価 :(3/5)
フランス語難易度 :(4/5)
読みごこち :(2/5)
* 上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい
* この表の見方はこちら
『 Payer en monnaie de singe 』
直訳 : 猿の貨幣で払う
本当の意味 : 上手いこと言ってお金を払わない
『 Tomber dans les pommes 』
直訳 : りんごの中に落ちる
本当の意味 : 気絶する
『 Faire mouche 』
直訳 : 蝿をする
本当の意味 : ばかうけする
『 La fin des haricots 』
直訳 : インゲン豆の終わり
本当の意味 : 絶体絶命
・・・等、フランス語の言い回しには、
「どうして、こんなおかしな言い方するのぉ?」
と、文句を付けたくなる、笑える口語表現が沢山あります。
本書は、何が元で、こんな言い回しをするようになったのか、その語源を古い書物などを調べた結果をまとめたものです。
読むのが少々かったるい、著者の前書きの後に、『快楽』、『組織』、『日常』の章に、分類された、口語表現の語源に関する記述が続きます。
本の巻末には、単語で検索できる索引がついているので、初めから終わりまで読むのではなくて、自分の興味のある表現のみ、ピックアップして読む事が出来る便利な本です。
読みやすいとは言いがたいフランス語で書かれているので、初めから終わりまで、一気読みするには、かなりしんどい本だけど、ふと耳にした表現の語源を知りたいと思った時や、フランス語独特の口語表現を覚えたいと思った時などに、重宝する本だと思いました。
ちなみに、記事の冒頭であげた口語表現は、本書によると次のような事から派生したものだそうです。
Payer en monnaie de singe
中世のフランスで、猿はエキゾチックな珍しい動物でした。 パリの橋を渡る時に払わなければならない通行料の代わりに、猿回しは、猿の曲芸を見せた事からこの言い回しが生まれたそうです。
Tomber dans les pommes
これは、ノルマンディー地方で、 "Tomber dans les 『paumes』." と言っていたのがなまったものだそうです。
『paumes』は、『pasmé』 『pamé』 『pâmoison』と同じ語源を持つ言葉で、気絶を意味します。
(誰かが倒れたときにリンゴがそばにあった訳ではないようです。残念)
Faire mouche
この『mouche』 というのは、拳銃や矢の練習用の的の中心にある小さな黒い点の事で、『Faire mouche』というのは、その黒い点にぴたりと当てる事を意味し、そこから、『大当たり』を意味するようになりました。
貴婦人が肌の白さを引き立たせるために顔につけた『mouches galantes』 と呼ばれている、偽ホクロの形に似ている事から、当時、拳銃や矢の練習用の的の中心にある小さな黒い点の事を、『mouche』 と呼んでいたそうです。
La fin des haricots
これは、兵糧攻めにあったお城で、食料が底を付いた事に、語源があるのではなかと想像したくなるのですが、それは誤りだそうです。
バルザックが 1887年に発表した『Les paysans』の中にも出て来る、当時使われていた単語 『Haricoter(商売や、賭け事に、けちけちと投資する事)』、又は、カードゲームをする時に、チップの代わりにインゲンマメを使っていた事から、賭け金の底がついた事を意味していた口語表現に由来しているとの事です。
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