フランスに不法滞在する外国人の手記を元に描かれた短編漫画を収録したオムニバス漫画集
2008-07-09
Coup de coeur
「Paroles Sans papiers」
編集 :Alfred & David Chauvel
著者 : Alfred ,Gipi, Jouvray 他
出版社 : Delcourt
ISBN-10 : 2756010855
ISBN-13 : 978-2756010854
表装 : ハードカバー(24x1x32)72頁
全体評価 :(4/5)
ストーリー :(4/5)
グラフィック :(4/5)
フランス語難易度 :(2/5)
読みごこち :(4/5)
* 上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい
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フランスに不法滞在をしなければならに羽目に陥ってしまった外国人に対する理解を深めるために、書かれ、編集され、出版されたオムニバス漫画集。
映画女優のエマニュエル・ベアーさんのによる「序文」、
フランスで最も権威のある漫画フェスティヴァル、アングレム国際漫画フェスティヴァルで数回の受賞経験を持ち、今年の1月に行われた第35回アングレム国際漫画フェスティヴァルの審査員長を務めた、漫画家José Munoz氏がアルゼンチンからヨーロッパに渡り、長年の間、不法滞在をした自分の経験を語った「はじめに」、
に続き、不法滞在者の手記を基に、描かれた6ページの短編漫画9編、
そして、おしまいには、、移民、不法滞在について説明したレポート、
からなる本です。
各漫画の初めには、移民に関する政治家、女優の発言や、報告書の抜粋などが記載されています。
この2、3行から8行ほどの短い9つの文には、現在フランスの移民に関する異なった考え方が、凝縮されており、とても興味深く感じました。
そんな抜粋文に引き続き、色々な事情から国を離れ、フランスへ向かった人たちの、困難で、屈辱に満ちた軌跡が、漫画で、語られています。
コンゴ、コートジボワール、チェチェンヌ、ブラジル、セネガル、等々からフランスへ流れ着いた人々の人生の一章を辿ったどの話も、痛みと苦しみに満ちたものなのですが、その痛みを生に伝えるのでなく、それぞれの漫画家が自分の中で消化し、アーティステック的なアプローチを試みて、漫画という形で表現しています。
この手のオムニバスでは、作品ごとに質がばらつく事が往々にして見られるのですが、この本は、どの漫画も、甲乙つけがたい、大変レベルの高い、作品に仕上がっており、各漫画家の、この社会的問題に賭ける意気込みが伝わってくるような気がしました。
たまたま、貧乏な国に生まれてしまったため、生まれ故郷以外の国で、新しいチャンスや人生にトライする事が出来ない、そんな不公平な事は許されるべきではない、という考えを新たに噛み締めました。
目次
「Préface」
Emmanuelle Béart
「Introduction」
José Munoz
「Une femme sur la route」
Lorenzo Mattotti
「Le drame marocaine」
Gipi
「Pourquoi la France ?」
Frederik Peeters
「Prostitution sans papiers」
作画 : Pierre Place
着色 : Albertine Ralenti
「Une jeunesse clandestine」
作画: Alfred
着色 : Laurence Croix
「Esclavage ordinaire」
作画 : Brüno
着色 : Laurence Croix
「Survivre sans papiers」
Kokor
「Eloignement à la française」
脚色 : Olivier Jouvray
作画 : Jérône Jouvray
着色 : Anne-Claire Jouvray
「Résister sans papiers」
Cyril Pedrosa
Dossier
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