1960年代の歴史的事件を組み込んだフランスのSF小説
2008-07-04
「Le grand secret」
著者 : Barjavel
出版社 : Pocket
ISBN-10: 2266175947
ISBN-13: 978-2266175944
表装 : ペーパーバック(11x21x18)376頁
作品評価 :(3/5)
フランス語難易度 :(3/5)
読みごこち :(2/5)
* 上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい
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1955年、インドの首相、Pandhit Nehruは、閣僚会議の途中に、緊急電話を受け、急いで、ボンベーにある、研究所へ駆けつける。 そこで、Nehruは、他社に会話を聞かれることを恐れた所長のShri Bahanbaと5時間に渡り、現在使われていないサンスクリット語で会話を交した。
その後、Bahanbaは、忽然と姿を消し、研究所は、緊急封鎖される。
それからすぐ後、Nehru首相は、アメリカ、フランスの大統領、イギリス女王、ソビエト、及び、中国の第一書記官等、世界の所要国の首長の元へ公式訪問をする。
そして、Shri Bahanbaの研究所及び、彼が分析のためサンプルを送った世界各国の研究所は、火災に合い、全て消滅し、一部の研究者達も、失踪したり、事故で、この世から姿を消す。
姿を消した研究員の一人の、Roland の愛人であった Jeanneは、Roland の失踪の原因を、世界中を駆け回り、17年間に渡り追究し、ようやく、その謎を掴むことに成功したのだが・・・
1973年に出版された、1960年代の政治的な出来事や謎を上手く組み込んだフランスのSF小説。
フランスの文学で、SFの定義は、『実際に存在しない場所を舞台に展開する作品』 なので、本来なら、この作品は、ファンタスティック小説(空想小説)に、分類されるべき作品なのですが、日本人にしてみたら、SFというジャンルに分類したくなるタイプの小説です。
1973年に書かれたSF小説なのですが、全然、古臭さを感じさせない作品。
1960年代の政治的な出来事や謎を上手く組み込んで、人類にユートピアは実現できるのか、という命題に挑戦した意欲作です。
ストーリーは面白いのですが、まあ、世界各国の首長や、秘密を守る人たちのあまりに非人間的で優等生的な態度などに、私はリアリティーを感じられる事が出来ず、今ひとつ、感情導入できなかったのですが、まあ、これは、私のひねくれすぎた性格のせいだと思います。
伝説を語っているような、柔らかな文体で、ゆるやかに物語は進行してゆきます。
硬質なピリッとした文体が好きな私は、読んでいてイライラしてしまう所がありましたが、まあ、これも、完全に好みの問題だと思います。
この作品のノリに、乗れるか乗れないかで、評価が大きく分かれるタイプの本。
悪くない作品だと思いながら、なぜだか、もう一度読み返す気にはならない、そんな一冊でした。





