1871年のフランス、ラングドック地方の 貧しい村を舞台にしたサスペンス小説
2006-01-25
「Le cavalier- squelette」
著者 : Georges-Jean Arnaud
出版社 : Editions de Masque
ISBNコード : 2702480659
表装 : ソフトカバー(15x23) 400頁
| 本の内容 | ☆☆ | 11/20 |
| フランス語難易度 | ♯♯ | 普通 |
| 読みごごち | ♪♪ | まあまあ |
(上記評価は、個人的な物なのであくまでも目安としてご参考下さい)
舞台は1871年のラングドック地方。
夫をプロシア人との戦争で亡くした、Zelie は、かつて夫と共に運営していた移動写真館を一人で切り回している。
彼女は、1年中、荷馬車を改造した移動写真館で、ラングドックの村を回り、村人達の写真を撮影して、生計を立てている。
ある日、Zelie は、憲兵隊から、この地方からプロシア戦争の際に参加した、フランス兵の中に、死体から金目の物を盗んだり、婦女を強姦した者がいる、 証人に、犯人を確認させるため、戦争に動員された村人の写真を撮る様に、依頼される。
その頃、馬に乗った骸骨の様な騎士が、さまよっているのを付近の村人に何度か目撃され、村人らを恐怖に陥れる。
骸骨騎士が、薬指の先がない左手の跡を村の家のドアに残して立ち去り、その後、その家の住人が殺される事件が立て続けに起こる。
この、不可解な殺人事件に、Zelie は、知らぬうちに巻き込まれて行く。
あまり、日常使わない単語が出てきたり、時々、文章が飛躍する所があって、それに慣れないうちは、ちょっと、戸惑うこともありましたが、全体的に読みやすい本でした。
推理小説としてのプロットについては、特に目新たしい所はなく、私には、犯人がなんとなく初めから予想できてしまいましたが、当時のラングドックの山の中で暮らしている村人の暮らしの様子や、厳しい状況の中、決然と自分の人生を自分ひとりの手で切り開いていこうとるヒロインの生き方、等が、目に浮かぶよう、描写されているので、最後まで退屈することなく読み進める事が出来ました。
まだ、女性蔑視が残る時代のフランスの、貧しいど田舎で、懸命に自分だけの力で生きていこうとするヒロインの姿には、感動の念を覚えました。
この小説の舞台になった地方を旅行中に通ったことがあるのですが、現在でも、あまり開けていない、厳しい自然が残る地方でした。険しい山にへばりつく様なワイン畑、幾つもの急カーブを切りながら、山や谷を越えていくと、険しい山頂の岩の中にそそり立つ、城の遺跡。
この本を読んでいるうちに、そんな記憶が蘇ってきました。
1871年のラングドックの Corbiere 地方の貧しい村の雰囲気がびしびし伝わってくるサスペンス小説でした。
この時代のフランス、又は、ラングドック地方に興味がある方には、お勧め出来る本なのではないかと思います。
本に出てくる、ラングドック地方の方言のフランス語訳が本の終わりについています。
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