袋小路の人生の中でもがく男の狂気を静かに描いた心理スリラー小説
2008-05-17
Coup de coeur
「Hommes entre eux 」
著者 : Jean-Paul Dubois
出版社 : Point
ISBN-10: 2757809148
ISBN-13: 978-2757809143
表装 : ペーペパーバック(11x2x18)
作品評価 :(4/5)
フランス語難易度 :(3/5)
読みごこち :(3/5)
* 上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい
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遺伝性の不治の病に冒されている事を知ったPaul Hasselbankは、3年前に彼の元を去った妻Annaに会いに、真冬のカナダのOntario にあるNorth Bayに、やって来た。
インド人の経営するうらぶれたホテルにチェックインしたPaul は、唯一の手がかりである妻の手紙を片手に、警察を訪れる。
警察で、Annaの雇用主であったEdouard Thyssenという男を紹介されたPaul は、彼の元に赴くが、Thyssenは、今夜行われるデスマッチを彼と共に観戦しなければ、Annaについての情報は教えないと言う。
いやいやながら、デスマッチ観戦に付き合ったPaul は、Thyssenから、渡されたメモにあったのは、人里はなれた一軒屋に住むFloyd Patersonという狩りが趣味の男の名前と住所だった。
急く心を抑え、Patersonの住む家まで、車を走らせたPaul だったが、生憎の、吹雪のため、彼の家に閉じ込められてしまう羽目になってしまう。
この小説の出だしは、以前に紹介した「Maria est morte」と、とても似ているけれど、「Maria est morte」とは、全く異なったタイプの小説。
袋小路の人生の中でもがく1人の男の姿と、二人の男の寡黙な心理的葛藤を描いた心理小説なのですが、一種のミステリーとしても読む事が出来る作品です。
雪に囲まれた、カナダの凍える風景を背景に、1人の女を愛した二人の男の出会いを通し、ふとした折に顔を出す、人間の心の奥に住む、狂気をえぐり取る様に描いた作品。
抑えられた文体で、静かな口調で語られているのにもかかわらず、初めの1ページから最後のページまで、ぴーんと張られた糸のような緊張感が、感じられる、そんな独特のスタイルを持つ小説。
人間の奥底を見詰める鋭利な視線、優れたカメラワークで撮られた映画を思わせる
叙述スタイルに、作中、何度か、名前が登場する、「アギーレ・神の怒り
破滅へ魅せられていく、主人公の心理を理解するために、ヴェルナー・ヘルツォーク監督の「アギーレ・神の怒り
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