Lire en FETE - フランス語の本の読書ガイド

フランスの現代作家の小説、BD(フランス漫画)を中心に、私が読んだフランス語の本を紹介

ダニエル・ぺナック氏の2007年ルノドー賞受賞作品


表紙写真 chagrin d'ecole
   「Chagrin d'école」
 著者 : Daniel Pennac
出版社 : Gallimard
ISBN-10: 2070769178
ISBN-13: 978-2070769179
表装 : ソフトカバー(14x2x21) 307頁  


作品評価  : (3/5)
フランス語難易度 : (4/5)
読みごこち : (3/5)

* 上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい
* この表の見方はこちら



元落ちこぼれを自称、公言している、フランスの人気作家で、かつて国語教師だったダニエル・ぺナック氏の、落ちこぼれと学校に関するエッセイ。

この作品は、小説でない上、最終候補からはずれていたにも関わらず、2007年のルノドー賞を受賞しました。
フランスの文学賞には、あまり一般大衆に知られていない作家をバックアップして、世間に知らせる事を目的にしている事もあるので、すでに人気作家としての地位を確立しているぺナック氏の著作であり、発売と同時に売り上げナンバーワンに躍り出た本作に、ルノドー賞を与えた事を疑問視する声が、かなり聞かれました。

フランスの学校は、優秀な生徒とそうでない生徒のより分けをする事には長けているけれど、出来の悪い生徒に対するケアーがおざなりになりがち。 そんな背景を踏まえ、授業についてゆくことが出来ずに落ちこぼれてしまった生徒を救い上げて、群れに合流させる事の大事さにアクセントを置いて書かれた自伝的エッセイです。

軍人を父親に持ち男4人の兄弟の末っ子として生まれた著者は、優秀な3人の兄とは大違いで、幼少の頃から、勉強が苦手で、アルファベットの一番初めの文字Aを覚えるのに丸一年かかり、26年経てば、アルファベット全部マスターできるようになると言われた程、勉強が苦手だった

というエピソードや、

「兄弟みんな出来がいいのに、どうして僕だけが馬鹿なの」
と、彼の面倒をよく見てくれるお兄さんに尋ねたら、
「6歳の時に当時父親の任地だったジブチのゴミ棄て置き場に落ちたからだ」
と、お兄さんに答えられた、

等々の、抱腹もののエピソードや、そんな彼の落ちこぼれ人生を変えた国語教師との出会い、そして、教師時代の数々のエピソードを交えながら、落ちこぼれ生徒の心理や、フランス語文法嫌いの子供たちへ著者が試みた療法などについて、ウイットたっぷりに語られます。

ただ、この本は、フランスの読者に向けて書かれているので、Capès(Certificat d'aptitude au professorat de l'enseignement du second degré=中級教員資格)、Agreg(Agrégation =上級教員資格)、hypokhâgne(『École normale supérieure(高等師範学校)』受験準備を目的とする人文系2年制大学の一年生)等、フランスの教育制度についての深い知識がないと理解不能な単語が出てきたりするので、日本とはかなり違い、かつ複雑なフランスの教育制度について、ある程度の知識がないと、この本を完全に理解するのは難しいと思います。 
又、フランス語特有のレトリックが駆使されているので、フランス語初級、中級者には、少々読みづらいのではないかと思われる下りがかなりあります。

それでも、学校教育に関する、多くの興味深い示唆を含んでいる本なので、教育に関心をお持ちの方に、お勧めしたい一冊です。

下記のサイトでは、著者が本書の一部を朗読しているヴィデオを見ることが出来ます
http://www.telerama.fr/livre/20939-daniel_pennac_lit_un_extrait_de_cancre_ecole.php

Daniel Pennac の他の著作に関する記事

 | HOME | 

文字サイズの変更

INDEX

全記事表示

著者名索引

カテゴリー 別索引

お勧めのフランス語の本

多読向きのフランス語の本


Lemon.fr へメッセージを送る


プロフィール

lemon.fr

Author:lemon.fr
日本語の本が入手しづらい環境にありながら、活字中毒症から抜け出す事が出来ないため、フランス語の本を読んでいます。
Lemon.frのもっと詳しいプロフィールを見る


私が実際読んでみて感じたままに、独断と偏見で評価しています。
もし、あなたの評価と違ったらごめんなさい。m(_ _)m


このブログはリンクフリーです。事前に承諾をとらなくて結構です。 
でも、「リンクしたよん」と言って頂けると、とっても嬉しいので、お暇がありましたらご連絡下さい。

本ブログでは、コメント、TBは受け付けておりません。ご意見は、こちらから、お願いします 

本ブログの記事を、引用、転記する場合には、引用元を必ず明記下さるようお願いします。

star



ブログ内検索

ソーシャルブックマーカー


SEO対策

リンク

このブログをリンクに追加する

お勧めのフランス語の本

私のお気に入りフランス映画

RSSフィード

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

カテゴリー

月別アーカイブ

05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  08  06 

青空文庫新着(本棚)

今日のレシピ

ホームページ アフィリエイト レンタルサーバーFC2ブログ 専門学校

Template by たけやん