庶民が集うカフェで過ごした幼年時代の思い出がテーマのフィリップ・クローデルの小品
2008-04-10
「Le café de l'Excelsior」
著者 : Philippe Claudel
出版社 : LGF (Livre de poche )
ISBN-10: 2253120812
ISBN-13: 978-2253120810
表装 : ペーパーバック(11x1x18) 86頁
作品評価 :(4/5)
フランス語難易度 :(4/5)
読みごこち :(2/5)
* 上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい
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現在は成人した主人公が、両親を亡くした後、庶民が集うカフェを経営している祖父と共に暮した幼年時代の回想を語った小編。
全部で84ページのとっても薄い本。 おまけに、活字が大きく、一つの章の長さが短いので、ラクラク読めるかと思っていたのですが、そんな予想に反して、かなり読みづ辛かった本でした。
散文詩と形容できるような文体で書かれており、文体の美しさを醸し出すために、ボキャブラリーの選択にも細心の注意がはらわれています。
そのせいか、一つの文の長さがかなり長めで、私が今までお目にかかった事のない単語や、日常あまり使われない単語出て来るので、一つの文を2回読み直したり、途中、何度か辞書を開く事を余儀なくされました。
文章の美しさを味わうために書かれた、この手の作品を鑑賞するためには、一つ一つの単語の意味を正確に把握する事が必要なので、文章の意味を理解する妨げにならなくても、辞書を紐解き、記憶にない言葉を調べる事は欠かせません。
フランスの裏町に、どこでもあるような、うらぶれた、お世辞にもきれいとは言えないカフェ。 そこに集う、お酒好きの飾り気のない男達と、そんな彼らに、決してこびることなしに、一時の和みを提供する、主人公の祖父の姿を、情緒溢れる筆致で綴った作品です。
作品の大部分では、庶民的なカフェの日常がゆるやかに語られてゆくので、ちょっと、退屈気味に思えましたが、さすが、フィリップ クローデル、ラストの詰めが圧巻。
思わず、ほろりとさせられてしまいました。
平易なフランス語で書かれているわけではありませんが、とても短い本なので、多読、速読用の本に飽きて、じっくりと、美しいフランス語の文章を味わってみたいとお思いの時に、お勧めしたい作品です。
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