残酷な運命に玩ばれる天才画家の生涯を描いた感動のフランス漫画「L'écorché 」上巻
2008-04-08
Coup de coeur
「L'écorché : Tome 1 」
ストーリー : F.Giroud & F.Germaine
作画 : Ruben Pellejero
出版社 : Dupuis
ISBN-10 : 2800137576
ISBN-13 : 978-2800137575
表装 : ハードカバー(24x1x32)64頁
全体評価 :(4/5)
ストーリー :(4/5)
グラフィック :(5/5)
フランス語難易度 :(2/5)
読みごこち :(4/5)
* 上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい
* この表の見方はこちら
1871年、パリのペール・ラシェーズ墓地で、共産主義賛同者たちが、銃殺されようとしていた。
その時、憲兵隊の隊長が、自分の父親の友人の娘、Alix-le Rougeを囚人の列から外すよう、命令する。
隊長と父親を罵倒し、自分も仲間と運命を共にするのをいとわない覚悟のAlix-le Rougeを、仲間の1人の男は、革命の意思を貫くためには、生き抜かねばならないと、説得し、二人はペール・ラシェーズ墓地から逃げさる。
それから4年後、赤ん坊をつれた女性が、詩人のValèreに付き添われ、レ・アールにある肉屋に現れる。
Jutineという名のこの女性は、経済的な理由から子供を自分の手で育てることが出来ないため、泣く泣く、子宝に恵まれない肉屋夫婦へ養子に出す事を決心したのだった。
「時々、子供の顔を見に来てもいいか?」
という遠慮がちのJutineの問いに、肉屋夫婦は、従妹のJutineおばさんとしてだったら、いつ逢いに来てもかまわないと、答えた。
そして、下顎に奇形を持つこの赤ん坊は、気にいい肉屋夫婦の愛を受け、成長していった。
奇形のため、友達からいじめられ続けているTristinは、いじめっ子から逃れるため父親の働くと屠殺所に、入り浸っていた。
ある日、床にころがっている牛のしっぽと血で、Tristinは屠殺所の壁に絵を描く。 そして、子供離れしたその絵を見た、父親やその仲間は驚愕し、未来の大画家の作品だと賞賛した。そして、それをきっかけに、Tristinは絵を描き始める。
それから数年後、偶然、Tristinの絵を目にした知人から勧められ、Tristinのアトリエに赴いた女画商のMathildeは、人目の彼の画才の虜となり、個展を開くことを計画する。
2巻で完結の「L'écorché」シリーズの上巻。
まず、力強いグラフィックにノックダウン。
太めの線描写を使っているのだけど、繊細さを感じさせる、情感に溢れた絵がページ一杯に展開します。
四角いコマとコマの回りの白い余白を尊重した、クラシックなフランス漫画の形式で描かれているのですが、コマの中のレイアウトの仕方やページの使い方が、達者なので、とても斬新な印象を受けました。
目を楽しませてくれるばかりでなく、作中人物の感情がビシビシと胸を打ち、感動を呼び起こす力を持つ、そんな力を持っているグラフィックです。
そして、ストーリの方も、グラフックに劣らず、秀逸。
まだ、後半を読んでないので、今ひとつハッキリしないところがあるので、作品全体に対する評価は出来ませんが、奇形の天才画家の苦悩に満ちた人生を情感たっぷりに語ったストーリーは、読者の興味を釘付けにせずにはいられません。
第2巻が楽しみ。
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