Lire en FETE - フランス語の本の読書ガイド

フランスの現代作家の小説、BD(フランス漫画)を中心に、私が読んだフランス語の本を紹介

虚構とシニックなユーモアを交え、女性の本性を軽快なタッチで描いた短編集

「Eloges de la cellulite et autres disgrâces」

表紙写真 eloge de cel.
 著者   : Dominique Dyens
出版社 : Pocket
ISBN-10: 2266167588
ISBN-13: 978-2266167581
表装 : ペーパーバック(11x2x18) 179頁  


作品評価  : (3/5)
フランス語難易度 : (3/5)
読みごこち : (4/5)

* 上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい
* この表の見方はこちら



美容整形により、完璧な身体と顔を持つ女性に囲まれたモードカメラマンの悲哀を描いた 「Eloge de la cellulite」

女性解放をスローガンとした大統領が選ばれ、女性専用の娼館を公認する法律が出来たため、起こった思いがけないフランスの社会の変貌を描いた・・・ 「La ménagère de moins de cinquante ans」

友人夫婦が催した豪華な結婚10年記念パーティーを軸として、パリの上流階級の夫婦模様を描いた 「Noces de verre」

いやいやながら、夫の上司が取引先を招いて催したディナーに出席した、子供の世話と家事の追われる平凡な主婦Marieの変貌を描いた「La soumission de Marie」

3人目の夫の死を契機に、ある事を始めた、巨大な富を持ち、贅沢にも倦厭した65歳になるレディーJohnsonの奇妙な生活を描いた、「La ménagère de moins de cinquante ans」の後日談ともいえるような 「La vengeance de Clarissa」

透明になって他人の生活を覗き見できたらいいのにと、思っている、夫との仲もギクシャクしがちな欝の主婦 が主人公の 「Va voir chez les autres」

「いつもの通り」が口癖の、変りばえのしない、毎日を送っている、中年夫婦を描いた 「Comme d'habitude...」


どんな女性でも、程度の差こそあれ、奥底に隠し持っている、醜悪な真性を、肥大させてまな板に載せ、鋭利な視線で調理し、シニックというスパイスで仕上げた、7つの短編小説で構成されている短編集。

男性には、読ませたくない、女が女のために書いた小説とは、まさにこの様な作品を指しているのではないかと痛感しました。

シニックさと意地悪さが多少、鼻につくものの、比較的、読みやすかった短編集なので、フランス語をある程度マスターした方の多読用にもお勧めできるのではないかと思いました。

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