シニックなユーモアたっぷりに老いを笑い飛ばしたフランスのエッセイ
2008-02-22
Coup de coeur
- 「Mon dernier cheveu noir :
著者 : Jean-Louis Fournier
出版社 : LGF - Livre de Poche
ISBN-10: 2253118419
ISBN-13: 978-2253118411
表装 : ハードカバー(11x1x18) 211頁
作品評価 :(4/5)
フランス語難易度 :(2/5)
読みごこち :(5/5)
* 上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい
* この表の見方はこちら
Mon arrière-grand-père est mort, mon grand-père est mort, mon père est mort... Je crains que ce soit héréditaire.
私の曾祖父は死んだ、私の祖父も死んだ、私の父も死んだ。 これは遺伝ではないかと、私は恐れている。
という著者の「Grammaire française et impertinente」という作品から抜粋された文章で始まる、老いに関する、数行から1ページ程の箴言を収録したエッセイ集。
60歳の峠を越えた著者が、自ら日ごろ感じずにはいられない、老いという現象にシニックなユーモアで、アプローチを試みた作品です。
60歳を越えた人が書いているのだから、多分、齢を経ることのメリットが書かれているのでは・・・
と、期待して読むと、これびっくり・・・
年をとる事により、生じる問題を、これでもか、これでもか、というくらい、シニックで、ブラックなユーモアを絡めて、文章にしてゆきます。
だから、お年寄りの方には、絶対にお勧め出来ない本です。
Epicure a dit :
"Ne craignez pas la mort,
quand elle sera là, vous ne serez plus là."
Mais la vieillesse, quand elle sera là,
on sera encore là.
エピキュロスは言った
「死を恐れるな。 死が訪れる時にあなたは、もう、そこには、いないのだから」
だけど、老いは、老いが訪れる時に、私たちは、まだ、そこにいるんだよねぇ。
Si vous voulez laisser un bon souvenir,
attention à ne pas mourir trop vieux.
いい思い出を残したいなら、あまり年とってから死なないように注意
なんていう、シニックだけど、ページを捲るたびにニンマリ、ゲラゲラ、と頬が自然とゆるんでくる、そんな箴言や、スケッチが盛りだくさん。
私は、読みながら、
「ひゃっ、ひゃっ、ひゃっ」
と笑い、あまり可笑しいので、息子達の前で読んで、皆で大笑いして、楽しい一時を過ごしました。
1人で読んでいても面白いけれど、気に入ったページを友達など一緒に読むと2倍に楽しめる、そんなタイプの本。
落ち込んでいる『若い人』を元気付けるのに、とってもいい本だと思いました。
(お年寄りには逆効果になるので、要注意!)
とっても気に入ってしまったので、この本を主人に読ませたら、ゲラゲラ笑いながら一気読みして、本を閉じた後、ほつりと、
「面白いけど、落ち込む」
と、こぼしていました。
老いを目先の問題と考えているか、どうかによって、受け取り方が変ってくるみたいです。(私と主人は同じ歳なのにどうして?)
老いのデメリットをこれもか、これでもか、と肴にして笑いを取ることを目的として書かれているため、一気読みすると、自分の暗い未来が重く背中に、のしかかって来て、暗い気持ちになるみたいです。
この本、おいしいチョコレートみたいなもので、
「口当たりがよくて、美味しい、美味しい」
と、いっぺんに、一箱食べたら、ゲップ、になるみたいなので、大変読み易い本なのですが、一気読みでなくて、毎日数ページづつお読みになれることをお勧めします。
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