謎めいた少年を中心に展開する連作短編集
2008-02-05
「Chants de Gorges」
著者 : Patrick Delperdange
出版社 : Sabine Wespieser Editions
ISBN-10: 2848050322
ISBN-13: 978-2848050324
表装 : ソフトカバー(14x1x12)頁
作品評価 :(3/5)
フランス語難易度 :(3/5)
読みごこち :(4/5)
* 上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい
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少年は、『黒く、腐った』村で、村はずれの家に母親とその情人と供に暮らしていた。 村人は、母親の事を『魔女』だと呼び、恐れ、毛嫌いしていた。
母親の情人は、少年が何もせずに毎日ぶらぶらしているのに、耐えかね、彼に仕事を探すよう強制する。
村人が彼の事を雇うはずがない事を知っている母親は、
「もしかしたら、神父様なら、なんとかしてくれるかもしれない」
と、少年を神父の下へ向かわせる。
ところが、事態は、思ってもみなかった方向へ展開し、少年は、村を追われる羽目になる。
年齢不詳の奇妙な少年を中心に、展開する7つのエピソードが収められている小説。
古い因習が残る小さな村で、わけありの母親に育てられ、常人並みの知恵は持っていないけれど、それゆえ純真で、出会う人の心を魅了してやまない魅力を持つ謎めいた少年。
そんな彼は、その純真さのため、体の交わりを罪悪だとみなし、人を殺めることに片鱗の罪の意識すら持ちません。そんな、主人公と、彼が出会った人々との関係を描きながら、著者は、謎に包まれた少年の実像を少しずつ、明らかにしてゆきます。
抑制の利いた怜悧な筆致で、人間の心の奥に潜む、暗い部分にスポットを当てて描かれた作品。
かなり暗いトーンで固められている小説なので、人により、評価が分かれると思いますが、叙述スタイルとストーリー構成力が優れているため、私は、最後まで、興味をそぐわずに、読む事が出来ました。
ただ、私は、もっと違ったタイプのラストを期待していたせいか、最後の締めが、少々、甘いように思えましたが、まあ、これは趣味の問題だと思います。





