抱腹絶倒な例文満載のフランス文法書
2008-01-31
Coup de coeur
「Grammaire française et impertinente」
著者 : Jean-Louis Fournier
出版社 : LGF (Livre de Poche)
ISBN-10: 2253081876
ISBN-13: 978-2253081876
表装 : ペーパーバック(11x1x18) 228頁
作品評価 :(4/5)
フランス語難易度 :(1/5)
読みごこち :(5/5)
* 上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい
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La grammaire française et impertinente est l'ensemble des règles à suivre pour dire et écrire correctement des bêtises, des grossièreté et quelques horreurs...
Une grammaire qui donne peut-être le mauvais exemple mais toujours la bonne règle.
La grammaire française et impertinente(礼儀知らずのフランス語文法)は、お馬鹿な事や、罵倒や、ひどい事等を、正しく話し、書き記すために、守らなければならない規則を収録したものである。
この文法書には、悪い例が挙げられている事があるかもしれないが、書かれている規則は、全て正しいものである。
こんな、おかしな前書きで始まる、この本は、
フランス語の単語、句読点、文の構成要素、名詞、冠詞、形容詞、動詞、代名詞、副詞、前置詞、接続詞、間投詞、文、
等について、奇妙な例文を交えて、しごく真面目に解説した、フランス語の文法書です。
文法の説明は、最小限に抑えられているので、文法用語に親しむにはいいけれど、文法を理解するには、ちょっと物足りない、そんな感じがしますが、一行程度の簡単な文法説明の後に続く例文を読むだけで、不思議な事に、自然に文法の規則が頭に入ってゆきます。
ちょっとしんどいけれど、真面目に初めから終わりまで読むと、一応、フランス語文法の基礎が理解出来るように考えられて書かれたフランス文法教本なのですが、この本の醍醐味は、文法説明にはなく、絶対に普通の文法書ではお目にかかる事のない特殊なタイプの例文にあります。
文法の説明を飛ばして、例文だけ読んでも、ゲラゲラ笑って楽しめる、そんな可笑しな文章が満載されています。
例えば、Mais 等の接続詞の使い方のところで挙げられているのは、次の例文。
Bernard prétendait qu'il n'était pas idiot de naissance mais que c'était venu sur le tard.
ベルナールは、馬鹿なのは、生まれつきではなく、年取ってゆくにつれ、そうなったのだと言い張っている。
そして、接続法の説明のページでは、次のような調子。
接続法は、希望、危惧、要求を表現する時に用いられる。
独立節又は、主節、従属節において、
希望を表す場合、
Qu'il crève !
彼なんて死んじまえ!
仮定を表す場合、
"Qu'il ose encore me traiter de bas morceau et je saurais le faire taire", déclara le petit homme.
「今度、やつが俺のことを馬鹿にしたなら、俺には、やつを黙らせる算段がある」と、小男は宣言した。
命令、禁止を表す場合、
Haut les mains ! Que personne ne bouge !
手を挙げろ! 誰も動くな!
危惧を現す場合、
Mon arrière-grand-père est mort, mon grand-père est mort, mon père est mort... Je crains que ce soit héréditaire.
私の曾祖父は死んだ、私の祖父も死んだ、私の父も死んだ。 これは遺伝ではないかと、私は恐れている。
こんな調子の例文が、初めから終わりまでぎっしりとつまっています。
中には、このブログで取り上げる事がはばかられる、かなりブラックな文章もあります。(^^;)
よくもこれだけ、可笑しな文章を思いついたものだと、改めて、Fournier氏の才能に感嘆しました。
だけど、笑いを取ることだけを目的として書かれてるのではなく、きちんとフランス文法のポイントを抑えて、例を挙げながら説明してあるので、フランス語の勉強のためにもなる本です。
特にこの本に出て来る、フランス語における句読点の使い方における微妙なニュアンスの説明などは、私もかなり参考になりました。
こんな本なら、『文法なんて糞くらい』などと思っているフランスの問題児も、きっと読まずにはいられなくなり、冗談や、脅かしを正しく表現し、きちんと相手に理解してもらうためには、やっぱり文法は大事と認識するのではないかと思います。
おまけに、この本に出て来る例文は、どれも、一度読んだら忘れることの出来ないインパクトを持っているので、さほど苦労をせずに、例文を暗記する事が出来るのも、この文法書の利点です。
(ただし、暗記した例文を使うチャンスがあるかどうかは、私は保証しかねませんよ。 無理して使ったら、厄介な事になるような気がしないでも・・・)
私が日本でフランス語を勉強していたときに、こんな文法書に巡り逢えていたなら、私も、もっと力を入れて文法勉強したのになぁ・・・
と、悔やまれます。
日本のフランス語文法書も、少し、この本を見習って、せめて例文だけでも、面白くしたら、もっと楽しくフランス語を学ぶ事が出来るのに・・・と、ため息がもれました。
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