モーリス パポンの事件の影響が感じられるフランスのミステリー
2007-12-03
「Meurtres pour mémoire 」
著者 : Didier Daeninckx
出版社 : Folio policier
ISBN-10 : 2070406490
ISBN-13 : 978-2070406494
表装 : ペーパーバック(11x1x18)216頁
本の評価 :(3/5)
フランス語難易度 :(3/5)
読みごこち :(3/5)
* 上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい
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トゥルーズで、1人の男の他殺死体が発見された。被害者は、いくつものピストルの弾を受けていた。警察は、被害者の身辺を調べたが、犯罪に関わる事柄が全く見つからなかった。
この件を担当したCadin警部は、被害者について調べてゆくうちに、被害者の父親が、1961年に起こった、アルジェリア系フランス人のデモの警官隊による武力鎮圧の最中に、殺害された事実を掴む。
そして、被害者の父親の過去を調べているうちに、Cadin警部は、国家の上層部を巻き込む、黒い秘密に突き当たる。
1998〜99年にフランスのマスコミで大々的に取り上げられた、元パリ知事のモーリス パポンの事件の影響が大きく感じられるミステリー。
一本気で、正義を曲げることが出来ないため、あちこちの警視庁をたらいまらしされている主人公のCadin警部が、殺人事件を追っているうちに、フランスの現代史の暗い一面に関係した殺人の真相を突き止めてゆく様子を書いた刑事物です。
ただの、殺人を扱っている刑事ものとは違い、現代のフランスに暗い影を与えている史実に基づいた、重量感のあるサスペンス。
主人公が、どの様な手がかりを元に、どの様な捜査方法で、犯人に迫っていったのかが、刻々と手堅く描写されていきます。
ただ、細かい点で、ちょっと納得出来ない所があったのと、作品の中ごろで、事件の真相が半ば明らかになってしまうので、あまりドキドキ感が味わえなかったのが、私には、少々残念に思えましたが、これは趣味の問題だと思います。





