諜報員の目で見た第2次世界大戦を描いたバンドデシネ「Sir arthur Benton」シリーズ第1巻
2007-11-28
「Sir arthur Benton, tome 1: Operation Marmara」
* 上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい
* この表の見方はこちら
Sir Arthur Bentonは、第2次世界大戦中、ナチスに協力したイギリス人実業家。
ドイツが降伏した後、捉えられ、ナチスの幹部の逮捕するための重要参考人として、取調べを受けていた。
決して口を割ろうとしない、Sir Arthur Bentonは、部屋にいた男達に、フランス人と、二人きりにしてくれと懇願する。
Emile Marchandという名の、このフランス人は、長年の間Sir Arthur Bentonをつけねらっていたフランス諜報員だった。
そして、Sir Arthur Bentonは過去をEmile Marchandと共に回想する。
1929年、Sir Arthur Bentonは、イスタンブールで、ナチスの資金作りの任務についていた。
そして、Emile Marchandは、フランス諜報機関から、ナチスの資金作りに関わるエージェントを見つけ、抹殺しろとの命を受け、イスタンブールに赴いた。
とても変ったグラフィックのバンドデシネ。
縁取りがされていない、淡い水彩のみで描かれた、フランス漫画ではあまりお目にかかる事のないタイプのグラフィックです。
私が苦手な第2次大戦とナチスをテーマにした漫画であるにかかわらず、一度見ただけで、すつかり、このグラフィックの虜になってしまい、この作品を読む事にしました。
普通、フランス漫画では、ペン入りのみがされた原稿の黒の部分が灰色になるよう調整してコピーを取り、そのコピーの上に彩色し、後で、コピーと、ペン入りの原稿を重ね合わせて印刷するという、手法で、制作されています。
(BDの行程ごとの制作方法について興味のある方は、下記のページをご参考下さい
http://scenaristeur.keocms.com/spip.php?article337)
だけど、この漫画、及び今まで紹介した「Muchacho」「Terre sans mal」「Vol du corbeau」 などの作品は、『la couleur directe(直接着色)』と言われる、手法で描かれています。
『la couleur directe』とは、つまり、コピーをとらずに、原稿にそのまま着色する、手法です。
水彩画のように描くため、一般的な着色法に比べると、手がかかるので、『la couleur directe』はごく一部の漫画でしか用いられていませんが、この手法を用いた作品は、どれも、とても大変美しい漫画に仕上がっています。
1枚描くだけで、最低数日かかったのではないか?
と、思われる、大変凝った、ハイレベルの水彩画の技術を疾駆して描かれた漫画。
頁のレイアウトの仕方、人物の描き方、背景の描き方、なども優れていますが、圧巻なのは、どのコマを見ても、文句のつけ所がないほど、完成されている点です。
この手のグラフィックに慣れていないフランス人の中には、拒否反応を示す人もいるようですが、私は、大いに評価しています。
さて、ストーリーの方ですが、かなりテキスト部分が多いにも関わらず、私は、漫画を一度読んだだけでは、すんなり理解出来ませんでした。
でも、幸いなことに、巻末に、作品の時代背景及び、主な登場人物についての説明がついています。
この説明を読んでから、もう一度読み直したら、今度はストーリーがスッキリ理解出来ました。
これを読んでから、作品を読めば、もっと良くわかったのに・・・
どうして、初めに付けなかったかしら?
と、思ったくらいでした。
ですから、説明を読まなければ理解出来ない漫画なんて、読みたくないと、お思いの方には、お勧め出来ない漫画です。
グラフックはとってもいいし、ストーリの内容はも、かなり面白いので、そこのところ、ちょっと損をしているような気がしました。
この作品は、2005年の『Salon de la bande dessinée de Décin』で、『Prix "Bonne Mine"の最優秀シナリオ賞』を受賞しています。
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ストーリー : Tarek
作画 : Stéphane Perger
出版社 : EP Editions
ISBN-10 : 2848100796
ISBN-13 : 978-2848100791
表装 : ハードカバー(23x1x31)56頁
全体評価 :(4/5)
ストーリー :(4/5)
絵 :(5/5)
フランス語難易度 :(3/5)
読みごこち :(1/5)
* 上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい
* この表の見方はこちら
Sir Arthur Bentonは、第2次世界大戦中、ナチスに協力したイギリス人実業家。
ドイツが降伏した後、捉えられ、ナチスの幹部の逮捕するための重要参考人として、取調べを受けていた。
決して口を割ろうとしない、Sir Arthur Bentonは、部屋にいた男達に、フランス人と、二人きりにしてくれと懇願する。
Emile Marchandという名の、このフランス人は、長年の間Sir Arthur Bentonをつけねらっていたフランス諜報員だった。
そして、Sir Arthur Bentonは過去をEmile Marchandと共に回想する。
1929年、Sir Arthur Bentonは、イスタンブールで、ナチスの資金作りの任務についていた。
そして、Emile Marchandは、フランス諜報機関から、ナチスの資金作りに関わるエージェントを見つけ、抹殺しろとの命を受け、イスタンブールに赴いた。
とても変ったグラフィックのバンドデシネ。
縁取りがされていない、淡い水彩のみで描かれた、フランス漫画ではあまりお目にかかる事のないタイプのグラフィックです。
私が苦手な第2次大戦とナチスをテーマにした漫画であるにかかわらず、一度見ただけで、すつかり、このグラフィックの虜になってしまい、この作品を読む事にしました。
普通、フランス漫画では、ペン入りのみがされた原稿の黒の部分が灰色になるよう調整してコピーを取り、そのコピーの上に彩色し、後で、コピーと、ペン入りの原稿を重ね合わせて印刷するという、手法で、制作されています。
(BDの行程ごとの制作方法について興味のある方は、下記のページをご参考下さい
だけど、この漫画、及び今まで紹介した「Muchacho」「Terre sans mal」「Vol du corbeau」 などの作品は、『la couleur directe(直接着色)』と言われる、手法で描かれています。
『la couleur directe』とは、つまり、コピーをとらずに、原稿にそのまま着色する、手法です。
水彩画のように描くため、一般的な着色法に比べると、手がかかるので、『la couleur directe』はごく一部の漫画でしか用いられていませんが、この手法を用いた作品は、どれも、とても大変美しい漫画に仕上がっています。
1枚描くだけで、最低数日かかったのではないか?
と、思われる、大変凝った、ハイレベルの水彩画の技術を疾駆して描かれた漫画。
頁のレイアウトの仕方、人物の描き方、背景の描き方、なども優れていますが、圧巻なのは、どのコマを見ても、文句のつけ所がないほど、完成されている点です。
この手のグラフィックに慣れていないフランス人の中には、拒否反応を示す人もいるようですが、私は、大いに評価しています。
さて、ストーリーの方ですが、かなりテキスト部分が多いにも関わらず、私は、漫画を一度読んだだけでは、すんなり理解出来ませんでした。
でも、幸いなことに、巻末に、作品の時代背景及び、主な登場人物についての説明がついています。
この説明を読んでから、もう一度読み直したら、今度はストーリーがスッキリ理解出来ました。
これを読んでから、作品を読めば、もっと良くわかったのに・・・
どうして、初めに付けなかったかしら?
と、思ったくらいでした。
ですから、説明を読まなければ理解出来ない漫画なんて、読みたくないと、お思いの方には、お勧め出来ない漫画です。
グラフックはとってもいいし、ストーリの内容はも、かなり面白いので、そこのところ、ちょっと損をしているような気がしました。
この作品は、2005年の『Salon de la bande dessinée de Décin』で、『Prix "Bonne Mine"の最優秀シナリオ賞』を受賞しています。
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