元FBI局長フーヴァーの生涯を通してアメリカの裏現代史を語った小説
2007-11-13
「Malédiction d'Edgar」
著者 : Marc Dugain
出版社 : Folio (Gallimard)
ISBN-10 : 207033967X
ISBN-13 : 978-2070339679
表装 : ペーパーバック(11x2x18)500頁
本の評価 :(2/5)
フランス語難易度 :(4/5)
読みごこち :(1/5)
* 上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい
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1924年から1972年の間FBIの局長を務め、アメリカを裏から牛耳った ジョン・エドガー・フーヴァーの生涯を、彼の腹心であり、私生活のパートナーでもあった クライド・トルソンの手記という形で語った、フィクション。
ページを追ってゆくにつれ、ケネディー家のマフィアとの関係、JFケネディーの病的な女好きと、無能さ、Bobケネディーの単細胞さ、ニクソン大統領の腹黒さ等々、アメリカ現代史の立役者達の裏の顔が、次々と暴かれて行きます。
又、それと同時に、国益より、正義より、自分の地位の安定を第一に考え、長年に渡り、FBIを指揮した来たフーヴァーのその醜悪な人物像と、彼が権力を保持するために使った狡猾な手口が、アメリカ歴代大統領や、歴史的な事実と絡めて、語られています。
アメリカの代々の大統領をも、盗聴、恐喝、あらゆる手を用い、自分の味方につけてゆくその、やり口の巧妙さと、倫理観の完全な欠如には、腹が立つどころか、
ここまで、徹底すれば、これは一つの芸術では?
と、ため息が出ました。
この本を通じて、権力を維持するためには、その職に見合った能力より、保身能力の方が必要だという事が良く分かりました。
でも、このフィクション、内容は面白いのですが、とにかく、読者サービスに欠けている小説。
いくら手記の形を取っているからといっても、だらだらと、めりはりのない文章で、フーヴァーと政府要人のエピソードが、約500頁に渡り、羅列されているのには辟易。
起伏とまろやかさに欠けた無味乾燥な文体で書かれた、最悪の読み心地の小説でした。
おまけに、読者がアメリカの現代史を完全に把握しているものとして、作品が書かれているようで、歴史的背景等に対する説明が皆無なので、マスコミを通じた漠然とした知識と、高校の歴史授業で、ちょっと触れたくらいしか、アメリカの現代史に対する知識がない私には、ピンと来ないところが、いくつかありました。
150ページくらいから、やっと面白くなってきますが、それまでは、何度、読むのを止めようかと思ったことか・・・
150ページを過ぎた辺りからは、ここまで読んだなら、最後まで読むしかない!
と、気力で最後まで、読みきりましたが、さもなければ、途中で挫折していたと思います。
自腹を切って買った本なので、なんとか読みきる事ができたけれど、もし、この本を図書館で借りたなら、途中で挫折していたことは明白。
何しろ、単調な、かったるい文体で、アメリカ大統領とその側近の悪口が延々と語られるので、アメリカの裏現代史や、ケネディーに、全く興味のない私には、かなり、退屈に感じられた本でした。
読者サービスに長けている日本の小説を読みつけている私は、どうして、この本がフランス人の間で好評を得ているの理解に苦しみました。
でも、アメリカのイコンとして、徹底的に美化され、語り続けられていた、ケネディー家の人々醜い面が沢山出て来たり、マリリン モンローの死や、ケネディー兄弟の暗殺に関する記述等が出て来たり、アメリカ歴代大統領に関する興味深いエピソードが惜しみなく披露されるので、アメリカ現代史に興味のある方や、ケネディーオタクや、には、耐えられない魅力を持っている本かもしれません。
とても興味深い題材を扱っているだけに、読者を楽しませる配慮に欠けているのが、ひときわ、惜しく思えた小説でした。
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