Lire en FETE - フランス語の本の読書ガイド

フランスの現代作家の小説、BD(フランス漫画)を中心に、私が読んだフランス語の本を紹介

大きな困難に直面した1カップルと1人の男の微妙な関係をセンシビリティーに溢れる筆致で描いた傑作フランス現代小説

Coup de coeur

gue
   「Passage du gué 」
 著者 : Jean-Philippe Blondel
出版社 : Robert Laffont
ISBN-10 : 2221107209
ISBN-13 : 978-2221107201
表装 : ソフトカバー(14x3x22)336頁
 

本の評価 : (5/5)
フランス語難易度 : (3/5)
読みごこち : (4/5)


* 上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい
* この表の見方はこちら



Fredは、妻と、2人のティーンエイジャーの子供を連れ、故郷に住んでいる母親を訪れた。 子供達の目的は、母親が住んでいる町にある、アウトレットのブティック。 客でごった返す店内で、子供たちが目の色を変えて洋服を漁っている時、家族づれの姿がFredの目に留まる。

そして、Fredは、過去を回想する。
1985年、英語教師試験の受験勉強中のFredは、団地街にある中学校で、生徒指導員として、働いていた。
ある夕方、校舎の見回り中に、どこかの教室から流れてくる Mortels の「Total Control」 のメロディーに誘われ、ある教室のドアをあけると、そこには、教団の椅子にすわり足を机に投げ出し、瞳を閉じて、音楽にひたっている美術教師のMyriamがいた。

その出会いをきっかけに、FredとMyriamは、急激に親しくなり、ある日、Myriamは、Fredを自宅で催されるパーティーに招待するが、その席で、Fredは、目の前が真っ暗になる様な、事実を目の前に突きつけられる。


このブログで何度も紹介したJean-Philippe Blondel 氏が2006年に発表した小説。

いままでに読んだ、Blondel氏の作品で一番感動した、センシビリティーに溢れた小説です。

この作品は、Blondel氏の今まで紹介した小説のように、凝ったプロットは、用いられていらず、Fred、Myriam、Thomasの、3人のモノローグのみで、作品が展開します。

ストーリーそのものは、要約して書いてしまうと、

ううん、つまらなそう、

と、思われてしまいそうなので、あえて、書きません。

(もし、この著者の作品を今まで読んだことがなくて、あらすじだけで、判断していたとしたら、私は、この小説を、手に取ることはなかったと思います)

だけど、やもすると、センチメンタルで、ぐじゅぐじゅとしたじめじめ感いっぱいの、自己満足的な読み物になってしまう、難しいテーマを、こんなに、心をぐらぐら揺すぶられる作品に変えてしまった、著者の力量に圧倒されました。

大きな困難に直面した1カップルと1人の男の微妙な関係を、繊細で、豊穣な筆致で描いた感動の小説です。

恋愛小説が苦手な私ですら、これはスゴイ!

と、読み終わった後、叫んでしまったくらい、読む人の心に大きな波を与える小説です。

小説に例えを使うのは、タブーだという事はわかっていますが、あえて、例えるとすれば、タイプは少々ちがうのですが、

初期の村上春樹氏の作品に見られるセンシビリティーと似たようなものがこの作品の底に流れているみたい、

この本を閉じたとき、私の頭の中には、そんな思いがふと横切りました。

Jean-Philippe Blondel、本当にすごい作家です。
どうして、日本では紹介されていないのかしら?

Jean-Philippe Blondel の他の著作に関する記事

 | HOME | 

文字サイズの変更

INDEX

全記事表示

著者名索引

カテゴリー 別索引

お勧めのフランス語の本

多読向きのフランス語の本


Lemon.fr へメッセージを送る


プロフィール

lemon.fr

Author:lemon.fr
日本語の本が入手しづらい環境にありながら、活字中毒症から抜け出す事が出来ないため、フランス語の本を読んでいます。
Lemon.frのもっと詳しいプロフィールを見る


私が実際読んでみて感じたままに、独断と偏見で評価しています。
もし、あなたの評価と違ったらごめんなさい。m(_ _)m


このブログはリンクフリーです。事前に承諾をとらなくて結構です。 
でも、「リンクしたよん」と言って頂けると、とっても嬉しいので、お暇がありましたらご連絡下さい。

本ブログでは、コメント、TBは受け付けておりません。ご意見は、こちらから、お願いします 

本ブログの記事を、引用、転記する場合には、引用元を必ず明記下さるようお願いします。

star



ブログ内検索

ソーシャルブックマーカー


SEO対策

リンク

このブログをリンクに追加する

お勧めのフランス語の本

私のお気に入りフランス映画

RSSフィード

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

カテゴリー

月別アーカイブ

05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  08  06 

青空文庫新着(本棚)

今日のレシピ

ホームページ アフィリエイト レンタルサーバーFC2ブログ 専門学校

Template by たけやん