ステファン エオームの最新作
2007-11-05
「Contemplateur」
著者 : Stéphane Héaume
出版社 : Editions Anne Carrière
ISBN-10 : 2843374561
ISBN-13 : 978-2843374562
表装 :ソフトカバー(13x2x21)183頁
本の評価 :(3/5)
フランス語難易度 :(3/5)
読みごこち :(4/5)
* 上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい
* この表の見方はこちら
1930年代の、フランスの田舎の小さな町がこの小説の舞台。
町に1件しかない 書店の初老の主人 Combe が、彼の書店で働いていた Théo という、男の子の遺体を前に呆然とたたずむところからこの小説は幕を開ける。
Théoの死に、動顚したCombeは、彼の死体を、こっそりと本屋の地下に埋める。
そして、Combeが、出した求人広告を読んだ、Antonという、ポーランド人の男の子が母親と、Combeの元へ、面接を受けに来る。
Combeは、Anton を雇うことに決め、Combeは、Antonに、作業着として、町の洋品店で、青いサルペンダーを購入するように、告げる。
翌日、赤いサスペンダーを着て書店に現れたAntonを見て、Combeは激怒し、洋品店へ、怒鳴り込みに行く。
そして、Combeの、理不尽な振る舞いに、好奇心を抱いた、村人達は、彼の回りを探り始める・・・
以前に、紹介したことのある、Stéphane Héaumeの最新作。
今回紹介する作品は、耽美的なイメージの強かった、いままで紹介した3作とはがらっと違った、重苦しい、暗い雰囲気が立ち込める小説です。
しかしながら、相変わらず、とても優美で、かつ読みやすい文体で書かれています。
第1章めは、戯曲を思われる、「!!!」口調の連続に、少々戸惑いましたが、作品を読み終わり、もう一度、読み返すと、どうして、著者が、このようなスタイルを使用したのかが、理解出来たような気がしました。
ストーリーそのものは、技巧を凝らしたものではないのですが、描写力が巧みなので、彫りの深い作品に仕上がっています。
私は、大抵の場合、この手のテーマの暗い小説は、苦手なのですが、この作品には、どこか心を惹かれるところがあり、2回も読み直してしまいました。
それは、主に、著者の表現能力に負うところが多いと思います。
Stéphane Héaumeは、優れた描写能力を持つ作家だと、再認識しました。
劇を思わせる、ドラマチックだけど、唐突なラストに、不満を感じる人もいるようですが、私は、著者が、この救いのない話に、一片の希望のともし火を与えたように感じられました。
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