セザール賞助演女優賞を受賞したフランスの女優さんの処女小説
2007-10-23
「Si petite devant ta face 」
著者 : Anne Brochet
出版社 : Point
ISBN-10 : 2757804804
ISBN-13 : 978-2757804803
表装 : ペーパーバック(11x1x18)140頁
本の評価 :(2/5)
フランス語難易度 :(2/5)
読みごこち :(4/5)
* 上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい
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6歳になるMarionは、兄と弟、ペンキ塗り職人の父、専業主婦の母と、祖母といっしょに暮らしている。 一緒に暮らしていた、陽気で優しい伯母が死んだ夜、Marionは、恐ろしい形相をした伯母の夢を見る。
それをきっかけとして、Marionは、強迫性障害と、うつに悩まされるようになる。
そんな錯乱したMarionのモノローグを中心に、彼女の母親、祖母のモノローグを挟み、病んだ心を持つ人々の様子を描いた中編小説。
以前に紹介した「Toc 」は、純真で、優しい心を持ち、他人の痛みを自分で引き受けようとするがゆえに、強迫性障害を病み、それにも関わらず、まっすぐ生きてゆこうとする、少女を描いた小説でしたが、この作品は、それとは正反対な作品。
幼いのに(それとも、幼いゆえに?)、エゴイストで醜悪な心を持ち、自分の欲求不満を他人にぶつけることでしか、自分の気分のあやを処理する方法を知らない、1人の少女の内面と、自分の事に精一杯で、彼女に手を差し伸べることの出来ない家族の姿を語った中編小説。
子供は、純粋な心を持っているなんていうのは、大人の思い込み。
子供は、大人が思っているより、ずっとしたたかで、狡賢い存在。
あなただって、子供の時、自分がどんなにエゴイストで、意地悪だったか忘れてしまったわけじゃないでしょう。
作品を読んでいながら、そんな著者の言葉が聞こえてきそうな感じがしました。
ちょっとさえない普通の人を、これでもか、これでもかというほど、容赦なく卑下するヒロインの意地悪い心と、そうする事によってしか精神の平衡を取る事の出来ない彼女の追い詰められた心が、胸に迫ってきて、嘔吐したいような気持ちになりました。
才気に溢れている作品なのですが、汚物を精密に、観察しているのを見せつけられているような、そんな、いやぁな読後感が残った小説でした。
本書は、Alain Corneau監督の「Tous les matins du monde」で、セザール賞助演女優賞を受賞した女優さんの処女作だそうです。
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