伝説の巻物に魅せられた人々の人生を中国の歴史に絡めて描いた知的冒険小説
2007-10-18
「Par une nuit où la lune ne s'est pas levée 」
* 上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい
* この表の見方はこちら
1978年、文革の傷跡深い、北京で中国語を習得中の一人のフランス人女子留学生は、八百屋に働く、中国人の青年と恋に落ちる。
Tûmchouq という名を持つこの青年は、現在、中国の宝石鉱で、強制労働についているフランス人の天才中国研究家Paul d'Amp&egrを父に持ち、現在、紫禁城の博物館で、働いている公務員の母と共に暮らしていた。
Tûmchouq の父は、仏陀が自ら弟子へ手渡したといわれている、仏教の秘密を隠していると言い伝えられている巻物の半分を自分の妻と交換したかどで、刑務所へ送られていた。
解読不可能な言語で示されたこの巻物は、代々中国皇帝により、大事に所有されていたが、日本軍に連れられ、満州へ軍用飛行機で、移動する最中、妄想にかられた 愛新覚羅溥儀は、自らの歯でこの巻物をまっぷたつに引き裂き、飛行機から投げ捨てたのだった。
Tûmchouq は、定期的に、休みを取り、汽車にゆられ、父親の収容されている宝石鉱のある強制収容所に赴き、父から、巻物に書かれている『Tûmchouq』という現在は消滅してしまった言語についての教えを受けていた。
そして、Tûmchouq に惹かれると同時に、ヒロインは、次第にこの巻物とそこに書かれている 『Tûmchouq』という言語に対する好奇心を膨らませるようになる。
だが、彼女の愛は、突然、思いがけない結末を迎え・・・
誰かが、本書に対して、
プルーストを思わせる優れた文体・・・
と、どこかで書いていたようだけど、
格調高い文体とは、あまり、ご縁のない私にとっては、ただの超読みにくい文章。
初めは、何度も読む進めるのを断念しようと思ったほど、この読みにくい文体に馴染むのに、大変苦労しました。
だけど、苦労して読んだ甲斐のあった、とっても素敵な小説でした。
外国人禁止地区で調査をするため、先祖代々受け継がれていたフランスの城と財産を放棄して、中国国籍を得たものの、自分の情熱に滅ぼされて、過酷な労働条件の中国の刑務所で生涯を終わらせたPaul d'Ampère、
父の情熱を引き継ぎ、全てを投げ打ち、人生を巻物に捧げたTûmchouq、
『Tûmchouq』という現在は死滅してしまった言語を愛する事で、Tûmchouq への愛を生涯貫き通した、ヒロイン
二つに切り裂かれた一本の巻物を求めて、生涯かけて、迷索するこの3人の人々の波乱万丈の人生を、中国、仏教の歴史と絡めて描いた、知的冒険に溢れている文学作品。
ラストを読んだときには、
『これは、これは・・・・・・・
Sijie Dai さん、あなたって人は、本当にスゴイ!!!
ここまで苦労して読んだ甲斐があった』
と、しみじみ思いました。
(全体を読まないで、ラストだけ読んだら、ラストの素晴らしさは分からないと思うので、飛ばさないで、ちゃんと全部読んでね)
でも、アルファベット表記の中国名が、どの漢字に当たるのかが、私には良く分からなかった上、中国の歴史に関する知識が殆どないため、途中、歴史に関する下りをあまり堪能する事が出来なかったのが、とても残念に思えました。
老後、時間が出来たら、中国の歴史などの充分な知識を得てから、もう一度広げたい本だと思いました。
とっても素敵な本なのだけど、かなり読みづらかったので、お勧めマークはつけていません。
Sijie DAIのその他の著作に関する記事
著者 : Sijie Dai
出版社 : Gallimard
ISBN-10 : 2070779637
ISBN-13 : 978-2070779635
表装 : ソフトカバー(14x2x21)307頁
本の評価 :(4/5)
フランス語難易度 :(5/5)
読みごこち :(1/5)
* 上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい
* この表の見方はこちら
1978年、文革の傷跡深い、北京で中国語を習得中の一人のフランス人女子留学生は、八百屋に働く、中国人の青年と恋に落ちる。
Tûmchouq という名を持つこの青年は、現在、中国の宝石鉱で、強制労働についているフランス人の天才中国研究家Paul d'Amp&egrを父に持ち、現在、紫禁城の博物館で、働いている公務員の母と共に暮らしていた。
Tûmchouq の父は、仏陀が自ら弟子へ手渡したといわれている、仏教の秘密を隠していると言い伝えられている巻物の半分を自分の妻と交換したかどで、刑務所へ送られていた。
解読不可能な言語で示されたこの巻物は、代々中国皇帝により、大事に所有されていたが、日本軍に連れられ、満州へ軍用飛行機で、移動する最中、妄想にかられた 愛新覚羅溥儀は、自らの歯でこの巻物をまっぷたつに引き裂き、飛行機から投げ捨てたのだった。
Tûmchouq は、定期的に、休みを取り、汽車にゆられ、父親の収容されている宝石鉱のある強制収容所に赴き、父から、巻物に書かれている『Tûmchouq』という現在は消滅してしまった言語についての教えを受けていた。
そして、Tûmchouq に惹かれると同時に、ヒロインは、次第にこの巻物とそこに書かれている 『Tûmchouq』という言語に対する好奇心を膨らませるようになる。
だが、彼女の愛は、突然、思いがけない結末を迎え・・・
誰かが、本書に対して、
プルーストを思わせる優れた文体・・・
と、どこかで書いていたようだけど、
格調高い文体とは、あまり、ご縁のない私にとっては、ただの超読みにくい文章。
初めは、何度も読む進めるのを断念しようと思ったほど、この読みにくい文体に馴染むのに、大変苦労しました。
だけど、苦労して読んだ甲斐のあった、とっても素敵な小説でした。
外国人禁止地区で調査をするため、先祖代々受け継がれていたフランスの城と財産を放棄して、中国国籍を得たものの、自分の情熱に滅ぼされて、過酷な労働条件の中国の刑務所で生涯を終わらせたPaul d'Ampère、
父の情熱を引き継ぎ、全てを投げ打ち、人生を巻物に捧げたTûmchouq、
『Tûmchouq』という現在は死滅してしまった言語を愛する事で、Tûmchouq への愛を生涯貫き通した、ヒロイン
二つに切り裂かれた一本の巻物を求めて、生涯かけて、迷索するこの3人の人々の波乱万丈の人生を、中国、仏教の歴史と絡めて描いた、知的冒険に溢れている文学作品。
ラストを読んだときには、
『これは、これは・・・・・・・
Sijie Dai さん、あなたって人は、本当にスゴイ!!!
ここまで苦労して読んだ甲斐があった』
と、しみじみ思いました。
(全体を読まないで、ラストだけ読んだら、ラストの素晴らしさは分からないと思うので、飛ばさないで、ちゃんと全部読んでね)
でも、アルファベット表記の中国名が、どの漢字に当たるのかが、私には良く分からなかった上、中国の歴史に関する知識が殆どないため、途中、歴史に関する下りをあまり堪能する事が出来なかったのが、とても残念に思えました。
老後、時間が出来たら、中国の歴史などの充分な知識を得てから、もう一度広げたい本だと思いました。
とっても素敵な本なのだけど、かなり読みづらかったので、お勧めマークはつけていません。
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