娘の死を別れた妻に伝えるため、混沌としたアジアの国を放浪する男の物語
2007-10-10
「Maria est morte」
著者 : Jean-Paul Dubois
出版社 : Point
ISBN-10 : 2757800116
ISBN-13 : 978-2757800119
表装 : ペーパーバック(11x1x18)181頁
本の評価 :(3/5)
フランス語難易度 :(3/5)
読みごこち :(4/5)
* 上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい
* この表の見方はこちら
10歳の娘 Mariaが死んだことを、2年前に別れた妻に伝えるため、Samuel Bronchowski は、妻、Gloriaの軌跡をたどり、内戦真っ只中の、とあるアジアの国に足を踏み入れる。
娘の死から立ち直る事の出来ない一人の男が、妻に、娘の死を告げる事を唯一の生きる目的として、空っぽの心をかかえ、アジアの混沌とした町を彷徨う様子を書いた作品。
ボクシングと、少年を偏愛する老人、
ホテルに一人で長期滞在している年齢不詳のエレガントな夫人、
本当は、ゃべれるのに決して口を開こうとしない奇妙な男、
荒れ果てたホテルで自炊し、隣人にごちそうするのが大好きな、気のいい料理べたな男、
塀の外側では、激しい戦いが繰り広げられ、死人が出ているのに、そんな現実が存在することを無視して、自分の世界にこもる続ける老人・・・
そんな奇妙な人々の関わりを通じて、主人公が、娘の死以来自分の中に出来た空洞を、自分でも気がつかないうちに、少しずつ埋めてゆく過程を語った作品。
読む人によって、『退屈な小説』にも、『センシビリティーに溢れた作品』にも、なりうる作品。
圧倒的な作品とは、言いかねますが、著者の鋭い人間観察力と人間心理の描写力に、魅力を感じざるを得ませんでした。
Jean-Paul Duboisの他の著作に関する記事
copyright © Lire en FETE - フランス語の本の読書ガイド all rights reserved.






