フランスのレジスタンス活動に青春を捧げた一人の男の人生を描いた小説
2007-10-03
「Heureux comme Dieu en France」
著者 : Marc Dugain
出版社 : Gallimard
ISBN-10: 2070314405
ISBN-13: 978-2070314409
表装 : ペーパーバック(11x3x18)365頁
作品評価 :(2/5)
フランス語難易度 :(3/5)
読みごこち :(3/5)
* 上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい
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20歳になるPierre Joubertは、共産党員の父親の進めに従い、レジスタントの運動に参加することを決意する。
そして、父親の知り合いの医師の協力により、髄膜炎で死んだという死亡診断書を書いてもらい、こっそりと家を出、レジスタント同士の家に匿われる。
その後、フランスの各地で、レジスタント活動に身を投げた、Pierre の姿を語った小説。
私は、ドイツ軍占領下のフランスを舞台にした小説は、あまり好きではありません。
なぜなら、この手の小説の多くは、客観的とは程遠い、
『ドイツ兵士は悪者で、レジスタント有志は正義の味方』
的な、短絡的図式を元にして書かれており、当時、フランスに配属されたドイツ軍兵士も、彼らなりの事情や苦悩を抱えた人間であるという事実に対する配慮が感じられないからです。
この作品は、以前に読んだ「Une exécution ordinaire 」が良かったので、Marc Dugain 氏の他の作品を読みたくて、内容は確認せずに手に取りました。
もしかしたら、レジスタント有志が主人公の小説だと知ったら、読まなかったかもしれません。
初めは、
「これも、ありきたりの短絡的なレジスタント賛歌の小説?」
などと、思いながら読んでいたのですが、後半、主人公が、任務のため、ドイツ軍兵士が集う酒場で働き始めたあたりから、作品のトーンが変ってゆきます。
全体的に明晰すぎた、クールな文体で書かれているので、主人公の気持ちがあまり、敏感に読者に伝わってこないのが、私には、物足りなく感じられました。
その上、主人公が、自分の行為により、数多くの罪のない人々を死に追いやったという事実への悔悟の念を感じているんだか、いないんだか、はっきりと描写されていない、歯切れの悪さにも、ひっかかりを感じました。
この本は、「Une exécution ordinaire 」を読み終わった時のような、衝撃は与えてくれませんでしたが、第2次世界大戦の真っ只中で青春時代を送った一人の男の姿を手堅い表現で描いた小説だと思いました。
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