マルセイユが舞台の社会派ハードボイルドの傑作
2007-09-24
Coup de coeur
「Chourmo」
著者 : Jean-Claude Izzo
出版社 : Folio
ISBN-10: 2070417190
ISBN-13: 978-2070417193
表装 : ペーパーバック(11x3x18)365頁
作品評価 :(4/5)
フランス語難易度 :(4/5)
読みごこち :(3/5)
* 上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい
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警察を退職し、恋人と別れた Fabio Montale は、心にぽっかり穴が空いてしまった様な、うつろな心をかかえて、毎日を生きている。
そんなMontaleの前に、かつて、憧れた事のある、美しい従姉妹 が訪れる。裕福な男と再婚した彼女は、家出した彼女の連れ子の Guitou を探して欲しいと、Montale に、依頼する。
Guitouは、アルジェリア系のガールフレンドとの交際を、義父に反対されたため、家を出たため、消息を絶っていた。
Guitou の行方を追っているうちに、Montale は、意図せずに、マルセイユを取り巻く、黒い渦に巻き込まれて行く。
Fabio Montale シリーズ第2弾。
Fabio Montale シリーズ、第1作目の、「Totale Khéops」も、社会派ハードボイルドだったけど、本作品は、前作よりさらに、社会小説的要素が強く浮き出た作品です。
第1作目を読まなくでも、ストーリーを理解する事は出来ますが、第1作目を読んでいると、登場する人物達と主人公の関係を完全に把握出来て、より作品を楽しむ事が出来るので、私は、、「Totale Khéops」を読んでから、この作品を読むことをお勧めします。
プロット、作品に織り込まれたメッセージ共に第1作目を上回った出来。
相変わらず、Montale が、行動を起こす時には、死の影が付きまといます。
マルセイユを舞台に、マフィア、超右翼のFront National、そして、イスラム原理主義者達が絡み合う中、自分を見失っていく人々。
スーパーヒーローとは、程遠く、時には弱さをむき出しにするけど、決して人間として一番大切なものを見失わない主人公。そんなMontale の生き方には共感を覚えます。
又、前作のように、彼を取り巻く脇役も作品に重みを与えています。
この作品は、1996年に初版されたフィクションですが、時々話題になるニュースや、耳にする噂を信じる限り、現在の南仏の政界又は経済界の現状をかなり忠実に再現しているように思われます。
社会派のハードボイルドファン、マルセイユに興味のある人には、自信を持ってお勧め出来る本だと思います。
この記事は、以前Yahoo Blog「フランス読書日記」に書いたものを一部修正加筆したものです。
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