ディディエ ヴァン・コーヴラール氏が父への思いを綴った伝記的小説
2007-09-20
「Le père adopté」
著者 : Didier Van Cauwelaert
出版社 : Albin Michel
ISBN-10: 2226176888
ISBN-13: 978-2226176882
表装 : ソフトカバー(15x3x23)281頁
全体評価 :(3/5)
フランス語難易度 :(3/5)
読みごこち :(3/5)
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Didier Van Cauwelaertが、ニースで著名な弁護士であった、父であるRené Van Cauwelaertの人生を語った作品。
著者の父がこの作品のメインになっているものの、それに絡めて、著者の半生が語られている、自伝的な作品でもあります。
著者は、7歳半の時に、交通事故の後遺症に苦しんでいたRené が、
「もし、歩くことが出来なくなったら、自殺する」
と言ったのを、耳にしてしまいます。
その時、幼いDidierは、父が自殺したら、自分が一家の大黒柱とならなければならない、と思い、一家を養うために、父の夢であった作家になることを決意します。
その後、Renéは、後遺症を取るための難しい手術が成功し、歩行できるようになり、89歳になるまで、人生を謳歌しました。
しかし、Didierは、この時の決心を貫き、作家になるため、幼い頃から鍛錬します。
この作品では、父Renéの人生に絡め合わせ、著者が作家として認められるまでの、その容易でない道のりや、著者の私生活が、作品に与えた影響などについても、作品の中で取り上げられています。
自分が敬愛する人を書いた作品というのは、自己陶酔に陥ってしまい、そのノリに乗る事の出来ない人には、白々しく思えてしまう事が、良くあります。でも。この作品は、このノリに乗れる人には、大感動の作品に、でも、もし、乗れなくても、イヤミにならない、そんな作品だと思いました。
氏の父に対する敬愛と尊敬の念はビシビシと伝わって来るのですが、私は、今ひとつ、このノリに乗りきれなかったのですが、それでも、まあ、楽しんで読む事が出来ました。
それは、フィクションより、ドラマティックな人生を送ってきた、Didier Van Cauwelaert 氏の父Renéと、 祖母Suzanne そして曾祖母Hortenseの人生によるところが多いと私は、感じました。
彼女たちのドラマティックで、苦労に満ちた人生が、生き生きと語られる辺りは、事実は小説より奇なり、とは、こういう事を言うのだなぁと、ため息がもれました。
貧しい母子家庭から、自分の腕と器量だけで、一流の弁護士になった、
一人のフランス人の生涯を敬愛を込めて語った伝記的小説。
ディディエ ヴァン・コーヴラール氏の作品をより、理解されたいとお思いの方に、お勧めしたい作品です。
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