Lire en FETE - フランス語の本の読書ガイド

フランスの現代作家の小説、BD(フランス漫画)を中心に、私が読んだフランス語の本を紹介

若き日のRené Vautierの姿を描いたドキュメンタリー漫画「Un homme est mort」

「Un homme est mort」

un homme
 ストーリー  : Kris
 作画 : Etienne Davodeau
出版社   : Futuropolis
ISBN-10 : 2754800107
ISBN-13 : 978-2754800105
表装 : ハードカバー(23x1x30)80頁
 

全体評価 :  (3/5)
ストーリー :  (2/5)
絵      : (4/5)
フランス語難易度 : (2/5)
読みごこち : (4/5)

* 上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい
* この表の見方はこちら



第2次大戦により、破壊されたフランスの港町ブレストの再建のため、多くの労働者がブレストの建築現場で働いていた。

1950年4月、家族を満足に養うことすら出来ないと、薄給に耐えかねた労働者達は、賃上げを要求し、ストライキを計画する。 

そして、彼らの運動に、港で働く労働者が加わり、大規模なストライキとデモが起こった。

デモの最中に、警官隊の発砲により、死者が1名、20名以上の負傷者が出た。

デモの翌日、労使団体CGT の招きを受けた、若い映画監督、René Vautier がブレストに現れる。
彼の目的は、この労使活動をフィルムに納める事だった。


エチエンヌ ダヴォドー氏が2006年に発表し、アングレム国際漫画際の『読者賞』と『最優秀シナリオ賞』をダブル受賞し、フランスでかなり話題になった、「Les mauvaises gens」と同じ流れを踏む、労使活動をテーマにしたルポタージュ漫画。

「Les mauvaises gens」と同様、労使活動をテーマにしているものの、決して悲壮には走らず、何の力を持たない普通の人々が、一つの目的のために、力をあわせてゆく過程が、語られています。

この手のストーリーは、やもすると、大げさすぎるお涙頂戴式や、支配階級糾弾の説教がかった作品に流れてしまうの危険をはらんでいるのですが、そういった落とし穴にはまる事なく、さりげない暖かさが感じられる作品に仕上がっています。

これは、人間の機敏な心の動きを書くのに長けている Davodeau 氏だから出来る芸当!

そんな、Davodeau 氏の才能が感じられる作品でした。


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