年老いても恋を生きがいに生きていたい人たちを描いたフランスの小説
2007-09-13
「L'angoisse du roi Salomon」
著者 : Emile Ajar(Romain Gary)
出版社 : Folio(Gallimard)
ISBN-10: 2070377970
ISBN-13: 978-2070377978
表装 : ペーパーバック(11x2x18)349頁
全体評価 :(3/5)
フランス語難易度 :(3/5)
読みごこち :(3/5)
* 上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい
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主人公のタクシー運転士のJeannot ことJean は、偶然、初老の身なりのいい、紳士を乗せる。
そして、この紳士に見込まれたJeannot は、彼の個人運転手として働く事になる。
この紳士の名前は、Salomonといい、現在84歳。
アパレル業界で成功を収め、富を手にし、現在は引退して、悠々自適の生活を送っていた。
だけど、このSalomonさんは、自分の財を独り占めにするのではなく、貧困の中にある老人にプレゼントという形で分け合えたり、命の電話が財政難にあえいでいるのを知り、自分のアパートの一部を命の電話の本部に貸して、財政面でも援助したりしている。
そして、Jeannotは、Salomonさんの命を受けて、プレゼントを配達するうちに、かつて流行女性歌手であった老女、マドモアゼルCora と親しい関係になる。
Salomonさんに感化され、孤独な老人に喜びを与えたいと思ったJeannotは、マドモアゼルCoraに優しく接してゆくが、Jeannotは、自分で意図しないうちに、すこしずつ、身動きできない状況に足を踏み入れてゆく。
以前に紹介した、「Gros calin」と、とっても語り口が良く似た、朴訥な口調で語られている小説。
Romain Gary が Emile Ajar の筆名で発表した最後の小説だそうです。
年齢的には、人生のたそがれにさしかかったのだけど、気持ちは、まだ真昼間という、人々の悲哀と、幸せを探る様を語った作品。
作品を読んでいると、
老人だって恋したいし、異性にちやほやされたいし、派手に遊びたい、
それのどこが悪い?
そんな著者の言い分が聞こえてきそうな気がしましした。
ボランティアのつもりで、孤独なマドモアゼルCoraに優しく接し始めた主人公は、男達から、ちやほやされた若い頃が忘れられず、まだまだ恋もしたいし、男の子とデートしたい、そんな、マドモアゼルCoraに引きずられて、彼女の大事な人になってしまいます。
マドモアゼルCoraを悲しませる事はどうしても避けたいけれど、自分の気持ちに嘘をつくことが出来ない、そんなJeannotの苦悩がひしひしと伝わってきました。
現実の世界でも、この作品のように、すべてまるく収まって、お年寄りがみんな青春できるようになればいいのだけど・・・
そんな読後感が残った作品でした。
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