ニシキヘビをパリのアパートで飼っている孤独な男の姿を語った小説
2007-07-24
「Gros calin」
著者 : Emile Ajar(Romain Gary)
出版社 : LGF - Livre de Poche
ISBN-10: 2070369064
ISBN-13: 978-2070369065
表装 : ペーパーバック(11x1x18)214頁
全体評価 :(3/5)
フランス語難易度 :(3/5)
読みごこち :(3/5)
* 上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい
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パリの、とある企業に勤める、独身のCousinさんは、一見すると、どこにでもいるような普通の人。
部屋に、レジスタンスの英雄のJean Moulin と Pierre Brossolette の写真を壁に飾っているCousinさんは、同じ会社に勤めるギアナ出身の肌の黒いDreyfusさんに密かに片思いをしており、毎朝、一緒にエレベーターに乗るのを楽しみにしている。
Cousinさんは、アフリカへツアー旅行に行った際に、ニシキヘビに、友情を感じてしまい、パリまで持ち帰り、アパートで、一緒に暮らし始めた。
Cousinさんは、ニシキヘビが、まるで、彼を抱きしめるように、彼の体に抱きつくクセがあるので、『Gros calin』となずけて、可愛がっていた。
ところで、ニシキヘビって何を餌にやればいいの?
Cousinさんが、色々と調べたところ、ニシキヘビは、生きた餌食しか食べないという。
そこで、Cousinさんは、Gros calinの餌用に、一匹の白鼠を飼ったのだけど、今度は、Cousinさんは、この白鼠に友情を感じてしまい、Gros calinに食べさせる事が出来ない。
仕方がないので、モルモットを買ったけど、同様の結果に終わる。
考えあぐねたCousinさんは、Josephe神父に相談を持ちかける・・・
一見すると、どこにでもいる様な普通の人のようだけど、どこか、ヘンで、孤独なCousinさんの日常をユーモアを交えて描いた作品。
優しい心を持っているのだけど、人間関係に、ひどく不器用で、鈍く、世間一般の人々の考え方から、どこかずれているCousinさんの目を通してみた、欺瞞と矛盾に満ちている世間を描きながら、純粋で、真直ぐすぎるため、世間から浮いてしまったのだけど、必死に生きてゆこうとした一人の男の姿が語られます。
飄々としたユーモアを感じさせる独特のスタイルで、書かれている、とても不思議な舌ざわりのする小説。
そこはかとない可笑しさが行間にあふれ出ているのですが、Cousinさんの切ない気持ちと、彼の異常さが、ビシビシと伝わって来て、心を絞られるような気持ちがしました。
Emile Ajar こと、Romain Gary というのは、ホントスゴイ作家だと、再認識しました。
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