グラフィックの美しさでは、トップのフランス漫画
2007-07-20
「Terre sans mal」
ストーリー : Anne Sibran
作画 : Emmanuel Lepage
出版社 : Dupuis
ISBN-10 : 2800135492
ISBN-13 : 978-2800135496
表装 : ハードカバー(24x1x31)64頁
全体評価 :(4/5)
ストーリー :(2/5)
グラフィック :(5/5)
フランス語難易度 :(3/5)
読みごこち :(2/5)
* 上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい
* この表の見方はこちら
1939年、フランス人女性言語学者、Eliane Goldshmit は、パラグアイに住むMbayasと呼ばれる原住民と生活を共にしながら、研究を進めていた。Napagnoumaという名をMbayas族らから貰い、Mbayas族にすっかり受け入れられていたEliane 。
しかし、ある日、Mbayas達が、いつもと違った奇妙な振る舞いをするのに、驚愕したElianeは、急いで電話のある村へ駆けつけ、母国の師、Davidに相談する。
未知の出来事に恐れを抱き、帰国したいと告げるEliane に、Davidは、これは、神人である『Karaï』の訪れの前触れだと、告げ、『Karaï』の再来に立ち会う唯一の研究者となるチャンスなので、Mbayas達の元へ留まる様、説得する。
やがて、Mbayas達の元へ『Karaï』が現れ、『La Terre sans mal』を求めた宛てのない旅が始まる。
このブログで何度か紹介している Emmanuel Lepage 氏が作画担当をしている漫画です。
多分、今まで私が読んだBDの中で、グラフィックという観点から見た場合、最も優れていると思われる作品。
私は、フランスで出版されている漫画を全て読んでいるわけではないのですが、Emmanuel Lepage 氏は、フランス漫画界で、絵のうまさと言った面では、トップクラスに入るのではないかと思われる程、達者で優美な絵を描く漫画家です。
一般的な『フランス漫画』とは、一線を画している、水彩画のようなグラフィック。
どの頁も、額に入れて飾りたくなるような美しさ。
パラグアイのジャングル、半裸の原住民の姿、そして、パラグアイの町の様子が、細部まで、限りなく美しく描かれています。
Emmanuel Lepage 氏のパラグアイに対する深い愛が感じられる、深い感動を引き起こす、素晴らしい絵です。
ただ、ストーリーの方は、着眼点は悪くないのですが、全体的に見るとメリハリに欠け、構成がやや平坦という感じがしました。
又、ヒロインが、自分が育った現代世界を棄て、原住民達と共に暮らす事を決心するあたりも、文明社会に毒されてしまっている私には、今ひとつ説得力に欠けるような気がしました。
ラストも、今ひとつ、しまりがなく、高揚感を感じ事が出来ませんでした。
また、絵の美しさをそぐなわないよう、テキスト部分にも細心の注意がはらわれいるのは、分かるのですが、読みやすいとはいえない作品となってしまっています。
グラフィックの面では、大変優れている作品ですが、読む人を選んでしまうタイプのストーリーなので、どなたにも、条件なしにお勧めできる作品ではありませんが、南アメリカに住む原住民に興味がある方、又は、ただ、ひたすら美しいグラフィックを鑑賞したいとお思いの方には、自信を持ってお勧め出来る作品だと思います。
デュプイ出版社のサイトの下記のページでは、この作品の一部の頁を見ることが出来ます。
http://www.dupuis.com/servlet/jpecat?pgm=VIEW_ALBUM&lang=FR&OUVRAGE_ID=572
http://www.airelibre.dupuis.com/titres/laterresansmal.shtml
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