ミステリアスな雰囲気のフランス漫画
2007-07-18
「Le vol d'Icare」
著者 : Etienne Schreder
出版社 : GLENAT
ISBN-10 : 2723440370
ISBN-13 : 978-2723440370
表装 : ハードカバー(30x1x30)56頁
全体評価 :(3/5)
ストーリー :(2/5)
絵 :(3/5)
フランス語難易度 :(2/5)
読みごこち :(4/5)
* 上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい
* この表の見方はこちら
主人公のIcareは、財を成した建築家の父と、黒い肌を持つ母親の間に生まれた。
父親は、Carnathieという国が独裁政府に支配されていた折、政府に深く係わり合いがあったが、現在、Icareは、父親と執事と共に、『西』の国にある広大な屋敷で暮らしている。
父親は、Icareの母については、一切語ろうとしないので、Icareは、漠然とした、思い出の他、母親については何も知らない。
母親の事を知りたいIcareは、友人に連れられ、秘密クラブに赴き、そこで、父親の過去を知っているArijanaという謎めいた女性に、出会い、たった一人で、Carnathieへと旅立つ決心をする。
以前に紹介した「Monsieur Khol 」と、同じ、Glenat出版社の『今までの BANDE DESSINEE(フランス漫画)の、枠にとらわれない、新しいコンセプトの漫画』を集めたと、謳われている、
『Collection CARREMENT BD』シリーズに入っている作品。
CARREMENT BDというように、このシリーズのBDは、皆、30cm×30cm正方形をしています。
「Monsieur Khol 」が、一般的なフランス漫画とは一線を画しているBDだったのに比べると、この作品は、正方形の紙に描かれている事を除けば、それ程、特異な作品ではないようです。
くっきりとした太目のペンタッチで、縁取られた、グラフィック。
細部まで描き込まれたタイプの絵では、ありませんが、ポイントをしつかり押さえたシンプルなペンタッチで、描かれた中々達者でセンスのいい、なかなか魅力的な絵です。
渋めの色使いも、幻想的なストーリーに良くマッチしています。
さて、ストーリーの方ですが、冒頭は中々面白いので、かなり期待して読み始めたのですが、後半がいささか凡庸。
これは、好みによると思いますが、幻想的に走りすぎたたため、曖昧になってしまったラストに、私は、物足りないものを感じてしまいました。
読み心地は、それ程悪くないのですが、なぜか、作中人物の気持ちを、切実に感じる事が出来ませんでした。
フランス漫画では、あまりお目にかかる事の出来ないタイプの個性的で、センスのいいグラフィックなだけに、そこのところ、残念に思われました。
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