フランスのど田舎で暮らす羽目になったカフェオレ色の肌の少年の物語
2007-06-13
「La couleur du bon pain」
著者 : Gilbert Bordes
出版社 : Pocket
ISBN-10 : 2266153951
ISBN-13 : 978-2266153959
表装 : ペーパーバック(11x1x18)213頁
全体評価 :(3/5)
フランス語難易度 :(3/5)
読みごこち :(4/5)
* 上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい
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フランスの西南部にある、Neuvilleという小さなNeuville村がこの小説の舞台。
とうに60を超えたValentin は、先祖代々受け継いだ農場を、たった一人で切り盛りしている頑固者。Valentin と妻、Pierretteの間には、Nathalie, Alain,Joséphine の、3人の子供がいた。
Alainは、医学部を卒業し、Briveで、名士の娘と結婚し、医師をして開業し、政治家としての野心を燃やしていた。 平凡な結婚をしたJoséphineは、Neuville近くの町の市役所に勤める夫と、子供たちと幸せに暮らしていた。
そして、Nathalieはパリでレユニオン出身のやくざ物と結婚し、犯罪に関係し刑務所に入った事があったため、Valentinから勘当されていた。 Nathalieは、その後、夫との間に、Grégory という男の子をもうけたが、今度は、夫が関係した偽札偽造に係わったかどで、2年の懲役刑を受ける。そして、出所した際に、NathalieはGrégory の父と一切連絡を絶つことを決心した。
ある日、Valentin とPierretteの元に、Nathalieからの手紙が届く。
Nathalieは、遺伝性の心臓病が重くなり、どうしても手術を受けなければならなくなった。この手術の成功度が低いことから、Grégory の将来を危ぶんだNathalieは、Valentin とPierretteに、彼女の手術が終わるまでGrégory の面倒を見てくれるよう、頼んでいた。
Nathalieの事を完全に許すことの出来ない上、黒人の孫を受け入れることなど、絶対に許せないValentin は、Grégory を引き取ることを頑なに拒否するが、Grégory が頼りになれるのは、自分達しかいないと認識しているPierretteは、Valentin の意思を無視して、Grégoryを引き取る事にする。
そして、母の病床に付き添うことの出来ないのを心苦しく思いながら、不安な気持ちを抱えて、Grégory は、Pierrette が待つ、Briveの駅に降り立つ。
とおっても読みやすかった本。
Bordes 氏の作品は、これで3冊目ですが、どれもみんな読みやすい作品ばかりでした。
今回読んだこの小説は、人種差別という、かなり思いテーマを扱っています。
フランスの奥地、といっても過言ではないような、超田舎の村の雰囲気がビシビシ伝わって来る作品。
Grégoryの事を心の底では、評価していても、彼の肌が黒ため、頑なに、自分の孫である事を受け入れるのを拒否するValentin
閉鎖的で、日常以外の事が起こるのに恐れを感じている村人達、
Grégory が非白人で、母親に前科があることを知って、彼を犯罪に誘おうとする、近くの町で出会ったチンピラ達、
Grégory の肌が黒いため、彼の事を目のかたきにしていじめる同級生、
それとは正反対に、Grégoryが、カフェオレ色の肌なので、彼に特別な気配りをする友達、
等々、この小説に出てくる出来事は、どれもこれもリアリティーがあります。
又、重厚さとは、無縁ですが、とてもテンポが良い、読みやすいフランス語で書かれているので、すらすらと読めてしまった小説。
この手のテーマに付き物の、声を荒げた問題提起や、説教じみた所は、皆無。
ただひたすら、巧みに人物を動かし、彼らに優しい目を注ぎながら、人を肌の色で差別することの無意味さを読者に投げかけます。
決して、ご都合主義に流れずに、現実をしっかり踏まえたストーリーは、カタルシスを与えてはくれませんが、知らず知らずのうちに、人種差別的な考え方をしている人たちへ、問題提起をしているように思えました。
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