小粒ながら光っている秀作、とても面白かったです!(^^)!
2005-12-06
Coup de coeur
「L'homme de la frontière」
著者 : Martine Marie Muller
出版社 : Rober Laffont
ISBNコード : 2221104285
表装 : ペーパーバック(14x1x22)155頁
| 本の内容 | ☆☆☆ | 17/20 |
| フランス語難易度 | ## | 普通 |
| 読みごごち | ♪♪♪ | .すらすら読めました |
(上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい)
東ドイツと西ドイツの国境にベルリンの壁が建てられようとしている。そんな事を露も知らない、東ドイツに住む主人公のFrantzは、じゃがいもを盗もうと、国境を越え、西ドイツへ足を踏み入れる。じゃがいもが入った袋をかついで、帰路へ着こうとしたFrantzは、男たちが、レンガや、コンクリーブロックを手にして働いているのに、目を奪われ、西側の警察に捕まってしまう。
その後、Frantzは西側のVille neuveと呼ばれる町の住民として身分証明書を得、政府の研修所で、18ヶ月の間研修を受けた後、警察官として働き始める。
ハンサムで、どことなく女性の心をくすぐるFrantzは、周りの女性から、アプローチを受けたり、パーティーで知り合った上流階級の令嬢達に思いを寄せられるが、彼の心は動かない。
そんな、Frantzが選んだのは、Evaという名の前科のある女性だった。
東ドイツと西ドイツがまだ、分かれており、自由に行き来が出来なかった時代のお話。
当時は、夜にこっそりと壁を越えて西側へ渡ろうとして、銃殺された人がいたそう。その頃の状況が頭にないと、この話は、今ひとつピンとこないかもしれません。
ベルリンの壁に阻まれて、別離を余儀なくされた人達のお話かと思い、あまり、期待せずに読み始めたのですが、そんな予想をはるかに上回り、かなり楽しめた作品でした。
どんな風に楽しめたのか、ここでお話してしまうと、読むときの楽しみが激減してしまうので、ここには書きませんが、作品の細かいところまで、考え抜かれた、なかなかよく構築された作品です。
作中、Frantzが西側で作った唯一の友人、身障者のための犬を訓練しているRalfとのエピソードが何気なく書かれています。
作品の後半にさしかかったあたりで、初めて、このエピソードが一種の伏線になっていたことに気がつきました。なかなか、しゃれてるプロットです。
だけど、書簡の形を取っているエピローグが、それまでの、作品のトーンとは全く違い、あまりに説明的過ぎなのには、興ざめしてしまいました。主人公達の胸のうちを読者にどうしても、伝えたいのなら、別のやり方があったはず。それまでが、とても良かっただけに、エピローグの部分が、もっと違った形で表現されていたなら、もっとこの本に対する評価が上がったのにと、残念な気持ちになりました。
この手の小説は、読む時の楽しみを損なわずに作品の魅力を伝えるのが大変難しいので、紹介をするのに苦労します。
この本の裏表紙に書かれている紹介文を読んでから、作品を読むと、おもしろさが半減してしまうので、出来るなら、裏表紙は読まずに、直接、作品の本文からお読みになられることをお勧めします。
紹介文を書いた、編集者もかなり苦労したみたいですねぇ。
この本を読み終わったとき、「掘り出し物とはこの手の本のことをいうのかしら?」と思いました。とにかく、小粒ながら光っている秀作で、全体的に、テンポがあり、とても読みやすい作品です。
なにか面白い本をお探しの方にお勧めします。
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コメント
>小粒ながら光っている秀作、とても面白かったです!(^^)!
>小粒ながら光っている秀作、とても面白かったです!(^^)!
掘り出し物ですか!そう言われたら読んでみなくてはいけませんね。
うちの近所の図書館の工事がようやく終わったようなので、今週末から大好きなライブラリー生活が復活です。
ここに来ると読みたい本がありすぎて、迷ってしまいますね。
うちの近所の図書館の工事がようやく終わったようなので、今週末から大好きなライブラリー生活が復活です。
ここに来ると読みたい本がありすぎて、迷ってしまいますね。
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面白かったので、主人にも薦めたら、超気に入っていました。それ以後、この作家の他の作品を2冊読んだのだけど、悪くはないんだけど、この作品程、楽しめなくて、ちょっとがっかり。
新築された図書館が近くにあるなんて、いいなぁ。