パリ警視庁主催推理小説文学賞『Prix du quai des orfevres』 の2006年受賞作品
2007-05-03
「La 7e femme」
著者 : Fréderique Molay
出版社 : Fayard
ISBN-10 : 2213615772
ISBN-13 : 978-2213615776
表装 : ペーパーバック(11x3x18)465頁
全体評価 :(2/5)
フランス語難易度 :(3/5)
読みごこち :(4/5)
* 上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい
* この表の見方はこちら
パリ刑事警察の、警視の Nico Siskyが、この推理小説のの主人公。
月曜日に、パリのカルチエ・ラタンのアパートで、36歳の大学の講師の惨殺死体が見つかる。
捜査を進めるが、手がかりが薄く、捜査は難航する事を予想された。
そして、火曜日に、今度は、マレ地区のアパートで、又、同年齢の容姿の似通った女性が、殺されているとの通報が警察胃入る。現場には、同一の手口で殺されているのが発見されの惨殺死体、そしてアパートの浴室の鏡には、『7日、7人の女性( 7 jours, 7 femmes)』 のメッセージが残されていた。
水曜日、パリの2区のアパートで、又、同様の手口で殺されている女性の死体が見つかる。
そして、現場には、
「ニコ、私はかたきらを追跡する。日曜、お前を目茶目茶にしてやる。(Nico, je poursuis mes ennemis, dimanche je te briserai !)」
のメッセージが残されていた。
又、Nico の義兄医師、Alex は、自分のパソコンに、彼の知らない間に、被害者の記録のファイルが挿入されいるのに気づき、恐怖にかられ、Nico に相談を持ちかける。
推理小説を対象とした、一般公募の文学賞、Prix du quai des orfevres (パリ警視庁賞) の2007年の受賞作品です。
この、『Prix du quai des orfevres』 の審査員会長は、なんと、パリ刑事警視総監。 そう、この文学賞の主催は、パリ警視庁なのです。
本の最終ページの記載によると、この賞は、1946年に作られたのだそう、だから、かなり長い歴史がある賞みたいです。
もし、日本の警視庁が同じ事やったりしたら、
「税金を使って何やってるんじゃ、そんな事やってる暇があったら、検挙率を上げろ」
と、非難の嵐が吹き荒れる事間違いなし。
こんなところにも、日本とフランスのお国柄の違いを感じてしまいます。
この『Prix du quai des orfevres』 受賞作品は、以前にも、読んだことがあるのですが、これは、呆れてしまうほどの駄作でした。
この賞、賞金が少ないので、あまりまともな作品が集まらなかったせいかもしれませんが、その年の受賞作を読み終わった後、
「やっぱり、警察は犯罪捜査が本職。 犯人逮捕能力はあっても、推理小説に関するセンスはゼロねぇ」
と、ため息がもれました。
そんな事もあって、この作品も、それほど期待しないで、読み始めたのですが、古典的な、推理小説のパターンをきちんと踏まえて書かれた、スピード感あふれる、とても読みやすい作品でした。
ちゃんと律儀に伏線が引かれているので、推理小説を読みつけている人なら、作品の半分ぐらいで犯人の目星がついてしまいますが、それからも、警察がどうやってそれを見つけてゆくかという楽しみがあるし、中々テンポ良く構成されているので、それは、作品を楽しむ妨げにはなりませんでした。
又、一部、細部に納得行かないところがありましたが、それ以外は、ラストにかかるまでは、そつなく構成されています。
又、殺人事件を捜査する刑事達のプライベートな生活が描かれているところが、警察関係者にうけたのではないかと思いました。
ただ、ラストの展開は、これは、人により、評価が分かれると思いますが、私には不満。
ラストをもっと何とかしたら、もっと良い作品になったのにと、少々残念に感じました。
全体的に、スピード感があり、とても読みやすいフランス語で書かれているので、すらすら読めてしまった作品。 だから、読んでいる時には、そんな瑕瑾を、あまり気にする暇などなく、最後まで一気に読めてしまった作品です。





