運命に玩ばれる一人の男と彼の三つ子の運命をスリリングに語った、フランスの大衆小説
2007-04-20
「Des enfants tombés du ciel 」
著者 : Gilbert Bordes
出版社 : Robert Laffont
ISBN-10 : 2221100808
ISBN-13 : 978-2221100806
表装 : ハードカバー(15x24)336頁
全体評価 :(4/5)
フランス語難易度 :(3/5)
読みごこち :(4/5)
* 上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい
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1870年、プロシア軍により攻囲されているパリで、この小説は始まる。
父から受け継いだ鉄工所を経営する、Catulle Moringuet の妻、Marie-Agnès は、三つ子の男の子を出産する。 Catulle の母のカード占いは、「3人のうちの二人の子供に、Catulleは、命を狙われる羽目になる」と予言した。
その頃、以前、Catulleの工場で技師として働いていたが、帳簿をこまかし、会社の金を横領したため、Catulleにより解雇され、それを恨みに思っている Pierre Chevillardが、Trochu 将軍の側近の Maurice d'Herrisonにより、軍の防諜部に抜擢される。
Chevillardは、Catulle に、スパイの濡れ衣を着せ銃殺させようと試みるが、Catulle は、亡き父がMaurice d'Herrisonの友達であったことを利用し、この危機を逃れる。
産後の肥立ちが悪く、Marie-Agnès は、この世を去り、女中は、必死で残された子供のために乳母を捜すが、見つからない。
考えあぐねたCatulle は、かつて関係のあった高級娼館を経営するJoséphineに相談を持ちかける。
Joséphineは、出産後に子供を亡くした、彼女の娼館で働く、政府高官のお気に入りの美しい、AnnaをCatulle に紹介する。
ところが、しつこくCatulle を落としいれようと、隙をうかがう Chevillard の罠にはまった、Catulle は、屋敷を逃げ出さねばならない羽目に陥ってしまう。
Annaと三つ子を、彼に忠実な部下、Pesquezが老いた母親と住む家に預けた、Catulle は、女中のMarineに連れられて、パリの下町に身を隠す。
これこそ、大衆文学、エンタメ小説!
と、声を上げて叫びたくなってしまった程、面白かった小説。
とても快い読み心地のフランス語で書かれている上、疾走感のあるストーリー、300ページちょっとある長さを全く感じさせずに、一気に読んでしまいました。
パリのブルジョワだった主人公は、スパイの濡れ衣を着せられ、パリの下町、下水道へと身を隠し、挙句の果てには、ニューカレドニアへ島流しになります。
そんな、波乱万丈のCatulle の人生と、それぞれ、違った家庭に育った三つ子達の奇妙な運命が、建設中のエッフェル塔の元で重なり合います。
いやぁ、著者のヴィクトル ユーゴーばりのストーリーテラーの才能には、感服。
ごちゃごちゃした、心理描写や、時代背景の説明などが、全くなくて、アクションばかりなので、すらすら読めてしまう小説。
軽い読み物をお探しの方、又は、冒険に溢れた別世界へトリップしたい、なんて思っているあなたにお勧めしたい作品です。
映画化したら、面白いそうな作品になりそう、と思われる、ドラマチックな小説でした。
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