フランスで人気の女流推理作家による狼男をテーマにした推理小説
2007-03-30
「L'homme à l'envers」
著者 : Fred Vargas
出版社 : J'ai Lu
ISBN-10 : 2290349232
ISBN-13 : 978-2290349236 :
表装 : ペーパーバック(11x18) 317頁
全体評価 :
フランス語難易度 :
読みごこち :
* 上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい
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Mercantour国立公園に生息する狼の姿を撮影するため、フランスに滞在している カナダ人の Laurence は、配管工兼作曲家の 風変わりな女性、Camille と一緒に暮らしている。
牛の放牧を生業としている村人達は、常に狼の恐怖に脅えている。
何ものかに、噛み殺された4匹の羊の死体が発見されてから、彼らの怒りは頂点に達っする。
そんな折り、Camille の親友 Suzanne が喉笛をかみ切られて殺される。
そして、この一連の事件は、狼でなく、狼男の仕業だという、うわさが村に広まる。
Camille は、Suzanneの養子 Soliman と、年寄りの牧童 Veilleux と共に事件の真相を解明に、乗り出す。
現在フランスでクローズアップされている、狼と放牧の共存の問題を上手く調理して、推理小説に仕立て上げたお手並みには感心。
一風変わっていて、とても魅力的なキャラクターが、次々と登場します。
私は、特に、Suzanne が大好きになってしまいました。
こんな魅力的な作中人物を殺すなんて、ひどい!
犯人と作者に怒りを覚えたくらいです。
その他、Suzanneの養子、Soliman 、Suzanneのために働いていた牧童Veilleux も、読んでいて、楽しくなってくる、とってもおもしろい人達です。
Vergas は、この手のちょっとおかしいけど、心動かされるキャラクターの描写が、本当うまい!と、再度感心。
彼女の作品を読んでいると、殺人事件解決は、魅力的な人間を描くための単なる口実、なんじゃないか、とすら思えてきます。
純粋な推理小説としての出来には、ほんの少しですが、文句をつけたくなる所もありますが、登場人物のキャラクター設定、及び描写、話の展開の仕方等に、すぐれた作家としての才能が感じられます。
今まで、私が読んだフレッド ヴァルガスの作品の中では、この作品と、「Debout les morts」 が、私は一番好きです。
日本人作家の手による優れた推理小説を読み慣れている私には、ちょっとモノ足りなく感じる部分もありましたが、私の回のフランス人の間では、とても評判の良かった作品です。
この作品は、Festival de roman noir de Cognac で、Grand prix を獲得しています。
* この記事は以前Yahoo Blog に掲載した記事を一部修正したものです。
Fred Vargasの他の著作に関する記事
- 「Ceux qui vont mourir te saluent」
- 「Dans les bois éternels 」
- 「Debout les morts」
- 「L'homme aux cercles bleus」
- 「Pars vite et reviens trard」
- 「Les quatre fleuves」

- 「Sans feu ni lieu」
- 「Sous les vents de Neptune」
- 「Un peu plus loin sur droire」
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