フランスで大人気のスリラー作家、マキシム シャタムのホラースリラー「Maléfice」
2007-03-20
「Maléfice」
著者 : Maxime Chattam
出版社 : Pocket
ISBN-10 : 2266143751
ISBN-13 : 978-2266143752
表装 : ペーパーバック(11x3x18)640頁
全体評価 :(4/5)
フランス語難易度 :(3/5)
読みごこち :(4/5)
* 上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい
* この表の見方はこちら
アメリカ、ポートランドの森に、Veuve noireと呼ばれる猛毒を持つ蜘蛛が大発生し、近辺に住む住人が、蜘蛛に刺され、病院に運ばれるという事件が起きる。
又、森林管理人の死体が森で見つかるが、彼の首には、蜘蛛のようなものより刺された痕跡が認められた。しかし体内に見つかった毒の量を考えると、1匹の蜘蛛の仕業だとは思えず、検死医は、首をかしげた。
その後、不可解な女性誘拐事件が相次いで起こる。
被害者は、夫と眠っている所、何物かに誘拐されており、寝室に争いの形跡が認められるのに、不思議なことに、そばで眠っていた夫は何も気がつかず、朝目覚めてから、初めて妻に失踪に気づいたという。
そして、誘拐された被害者の死体が、巨大な蜘蛛の繭に包まれ、森の木に吊り下げられているのが発見される。検視の結果、被害者の腹部には傷が見られないのに係わらず、被害者の体には殆ど内臓が残っていなかった。
「L'âme du mal」 「In tenebris」に続く『Triologie du mal(悪の3部作)』シリーズの最終巻。
「L'âme du mal」「In tenebris」で活躍した、Joshua Brolin が主人公のホラースリラーのシリーズ物の第3巻で、「In tenebris」の主人公だった女刑事Annabel O'Donnelが登場しますが、このシリーズの作品は、どれも独立した一つの話になっているので、他の2作を読んでいなくても、ストーリーについていくのには、何の支障もありません。
確か「In tenebris」を読んだ後、気持ち悪くなったので、この人の作品はもう、読まないと心に決めたはずなのに、ふと魔がさして、手に取ってしまった「Les arcanes du chaos」が、残酷場面が出てこない心理スリラーだったので、ちょっと安心して、この本を読み始めたのですが、読み始めてから、この作品が、『Triologie du mal』と呼ばれている作品の第3作目に当たり、私が苦手とする残酷場面が出てくるホラースリラーだと気がついた時は、後の祭り。
この人の作品は、テンポが良くて、読者の興味をそそるのがとてもうまいので、読み始めたら、最後のページを読むまで、怖いから止めよう、止めようと思っていても、読書を中断することが出来ません。
蜘蛛に魅せられた犯人は、かなりグロテスクな方法で殺人を犯すので、その手の表現が苦手の方には、あまりお勧め出来ない作品ですが、さすが、スリラーの名手と名高い、Maxime Chattam。
完成度の高い、優れたスリラー小説に仕上がっています。
捜査が進むにつれ、後から後へと明かされる謎、そして謎が謎を呼び、読者をラストまで、ストーリーに釘付けにして離しません。
まるでジェットコースターに乗っているように、ゆっくりと上っていたかと思うと、急に心臓が止まるかと思うような下り、そしてその後には、ちょっと息抜きの犯人の心理分析、そしてそれから又、新たな事件が起こり、急降下という風に、読者の心臓をゆさぶるストーリー構成になっている上、とてもテンポが良く、読みやすく書かれている小説なので、読み始めたら、途中で本を投げ出す事ができません。
この感覚がたまらないので、グロテスクな場面が出てくる作品は苦手な私ですら、Maxime Chattamの作品には、アディクトしてしまったようです。
疲れていて、あんまり難しい本、読むのがしんどい本は、遠慮したいけれど、なにか軽いものを読んで憂さを晴らしたいと、お思いの時にお勧めしたい一冊です。
Maxime Chattamの著書に関する記事





