ワイン好きな視覚障碍者と家出娘のルルドへの珍道行
2007-03-19
「Juste un coin de ciel bleu 」
著者 : Gilbert Bordes
出版社 : Robert Laffont
ISBN-10 : 2221104072
ISBN-13 : 978-2221104071
表装 : ソフトカバー(13x2x22)284頁
全体評価 :
フランス語難易度 :
読みごこち :
* 上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい
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主人公の9歳の少女、Clotilde の母親 Danielle は、アル中の夫に愛想をつかして、同僚の教師と同棲を始めた。
彼らのアパートは小さくて、Clotilde を引き取ることは出来ないが、アル中の夫の元に残しておくことは出来ないので、Danielle は、Clotilde を実家に、預けることにした。
だが、Clotildeにとって、母親に捨てられたショックは大きく、彼女は、田舎の祖父母と一緒に暮らすのがイヤで仕方がない。 一人で、あたりをぶらぶらしているうちに、見かけは村で一番立派だが、全く手入れがされていなく、荒れ放題の館に盲導犬と一緒に一人で住んでいる、お酒が大好きな、視覚障碍のピアノ調律師、Aurélienと知り合いになる。
Aurélien の兄弟は、現在、Aurélienの住んでいる館を売りたいと思っているが、Aurélien は、かたくなにそれを拒否している。
ところが、Aurélien の愛犬が突然、死に、Aurélien は、一人で館で暮らしてゆくことが困難になる。
もしかしたら、神様が、奇跡で目が見えるようにしてくれるかもしれないと、考えたAurélien は、すがる様な思いで、ルルドに巡礼に出かけることを思いつく。 そして、気のいい友達のFrançoisに頼み込んで、おんぼろ車に乗って、ワインの試飲をしながら、カタツムリのごとく、ゆっくりとルルドに向かう。
その頃、Clotilde は、妖精から聞いた「幸せの赤い花」を探しに、旅に出ることを、こっそりと計画していた。
少々わがままで、おてんばで、実行力抜群の女の子と、ワインが大好きで、ちょっと抜けてる、二人の社会からおちこぼれた二人の中年男達との珍道行を語った、ほんのりとしたユーモアが漂う小説。
Clotilde が誘拐されたのではなかと、慌てふためく両親と祖父母や村人や、警察を尻目に、3人は、おんぼろ車に乗って、ワインの試飲をしながら、ルルドへと向かいます。
強引で、可愛くて、才気煥発な Clotildeと、深いことを考えずに、彼女の言いなりになってしまう、無責任だけど、どこか憎めない二人のぬけてる中年男の様子がコミカルに書かれます。
そんな、作中人物達の切なさや、やさしさが心がじんじんと、伝わってくる、ほのかなユーモアが感じられるドラマのような小説。
よもやすると、現実離れしてしまうテーマなのですが、決して、ご都合主義に走らず、現実をしっかりと見つめた、ストーリー構成になっているので、最後まで、飽きることなく、読む事が出来ました。
細やかな作中人物のキャラクター設定と心理描写が、作品に彩りを与えているだけでなく、テンポが良くて、読みやすいフランス語で書かれている作品でした。
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