ベナキスタ小説にフランスの著名漫画家のTardiが挿絵をつけた洒落た1冊
2007-02-04
「Le serrurier volant」
著者 : Tonino Benacquista,
出版社 : Estuaire
ISBN-10 : 2874430188
ISBN-13 : 978-2874430183
表装 : ソフトカバー(13x1x19)158頁
全体評価 :(4/5)
フランス語難易度 :(2/5)
読みごこち :(5/5)
* 上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい
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Marc は、平凡な暮らしの中に幸せを見出す事の出来る、ごく普通の男。 彼は2週間一度週末を共に過ごす恋人や友達と共に、静かで幸せな生活を謳歌していた。
Marcは、勤めていた会社が倒産したため、職安に求職票があった、現金輸送を請け負う会社の求人に応募する。この職業は、狭き門で、10人に9人は、審査に落ちるという噂だったので、多分落ちるだとうと、たかをくくっていたMarcであったのだが、なぜか、彼は全ての審査に合格し、訓練を受けた後、現金輸送車の護送をしていた。
ところが、ある日、Marc が護送していた現金輸送車が強盗に襲われ、Marcと一緒に任務についていた同僚の二人は死亡し、Marc は重症を追ったまま、現金輸送車に閉じ込められているところを、消防員により救い出され、九死に一生を得る。
数ヶ月に渡る療養生活を経て、退院したMarc。 だが、強盗事件の折りに受けたショックにより別人のようになってしまった、Marcには、何も手がつかない。
かつての雇い主は、Marc をデスクワークへ配置換えしたが、強盗のトラウマのため、閉所恐怖症になったMarc は、部屋に『閉じ込められる』のが我慢できないため、会社に通う気にならない。それでも、3ヶ月の間、会社は、給与を振り込んだが、3ヵ月後に、Marc は解雇される。
金に困り、家賃さえも払うことが出来ないが、何をしたいのかわからないが、何をやりたくないのかは、はっきりとわかるMarc は、新しい勤めを探す事すら出来ずにいた。
そんなある日、前後不覚になるまで酔っ払い、留置所から朝帰りしたMarc は、鍵をなくしたため、部屋に入る事が出来ず、止む終えずに、錠前屋の出張サービスを頼む。
ベナキスタのテキストに、フランスの大御所漫画家 Tardi が挿絵をつけた、大人向けの絵本といった趣のしゃれた本です。
外に閉じ込められてしまった、人たちを救うために、パリの夜を駆け巡る錠前屋のMarc。
人を助ける事により、少しずつ、自己再生してゆく、そんな主人公の姿を語った、お話です。
ベナキスタのベスト作とは言いがたい作品ですが、読んだ後、ほんわりとした温かみを心に残してくれるストーリー。
作品のイメージにぴったりの、Tardiの挿絵もストーリーを引き立てています。
絵入りで、読みやすい作品なので、ある程度文法をマスターしたので、何かフランス語の本を読んでみたいとお思いの方にも、お勧め出来る作品だと思います。
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