フランスの植民地であったインドのPondichéry が舞台の大河小説
2007-02-02
「Terminus Pondichéry」
著者 : Hubert Huertas
出版社 : Presses de la Cité
ISBN-10 : 2258067987
ISBN-13 : 978-2258067981
表装 : ソフトカバー(16x24)400頁
全体評価 :(4/5)
フランス語難易度 :(3/5)
読みごこち :(3/5)
* 上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい
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かつて、フランスの植民地であったインドのPondichéryが舞台。
フランス、マルセイユに住む、Sandjiv Moreau は、かつて、Pondichéryで一緒にロックグループを組んでいた、Charles-Eric から電話を受け、過去を清算する決心をし、Pondichéryに赴く。
一方、現在インドで、政治家としてのキャリアを積んでいる、彼の幼馴染で、ロックグループの一員だった、Sandjivの幼馴染、Kandra-Koumaeaneも、
「事の経過は、Sandjivが、全て知っている」
との、Charles-Eric からの電話を受け、忘れる事の出来ない過去に決着をつける決心で、Sandjiv を迎える。
2日の間、肝心な話題に触れる事をためらっていた二人だったが、偶然に、二人は、幼い頃、彼らの面倒を見た自転車タクシーの運転手Nandaに出会う。
そして、二人は、Charles-Eric が、3人を引き逢わせるために、一芝居打った事に気がつく。
1940年のPondichéryで、フランス人医師のFrançois Moreau とタムール系インド人医師Sidambaromは、Pondichéry の病院に勤務していた。 インドを心から愛するFrançois は、Sidambaromに対し、現地人としてでなく、友達として接していた。
そして、アンタッチブルの自転車タクシーの運転手Nandaは、二人の医師の命を受け、病人の送り迎えをしながら生計を立てていた。
Sandjivの母とKandra-Koumaeaneの母は、ほぼ同時期に男の子を出産し、Nandaの義理の妹は、Ananditaという、女の子を産み落とした。
インドに陶酔 しているFrançoisは、息子の誕生を祝うパーティーで、酔いも手伝い、息子に、Sandjivというインド人の名前を付けることを宣言し、妻のSimoneの反感を買う。
そして、それから起こった、思いがけない出来事の連鎖により、Nandaは、この3人の子供の面倒を見る事になる。
フランス人のSandjiv、タムール人のKandra-Koumaeaneと、アンタッチブルのAnandita の三人は、Nandaに見守る中、一緒に、遊び、成長する。
インドのフランス領の町を舞台に、フランス人のMoreau 夫妻と、その息子、Sandjiv タムール系インド人Sidambaeom夫妻とその息子、Kandra-Koumaeane そして、アンタッチブルの自転車タクシー運転士とその姪Anandita この8人の波乱万丈の人生が織り成す大河小説です。
フランス人支配にあるPondichéryが、独立して行く、怒涛の中、奇遇な運命に玩ばれる彼らの姿がセンシビリティーに溢れる筆で記されてゆきます。
偶然の出来事、必然的な出来事の積み重ねにより、思ってもいなかった方向へ、向かっていってしまう人生。
自分の取ってしまった行為に常に悩み、苦しみながらも、必死に生きていくNanda の姿は、強い感動を呼び起こします。
私は、当時のフランス植民地下のインドの状況を知らないので、アンタッチャブルの子供と、フランス人の子供とタムール人の子供が、一緒に、アンタッチャブルの自転車タクシー運転手に預けられるという、設定が、実際にあってもおかしくない話なのか、又は、絶対にありえない話なのか、判断する事は出来ませんが、この小説を読む限り、必然性が感じられ、すんなり受け入れる事が出来ました。
とても、ドラマチックな出来事が連続する話なのですが、登場する人物の心理描写が重厚で、状況説明が滑らかなので、話にリアリティーがあり、自然に物語の中へ入って行くことが出来ます。
特に、文盲のNandaの文字との出会いを書いた下り、彼の禁断の恋を語った下りは感動的でした。
かなり長い作品で、少々中盤、テンションが落ちますが、とても読みやすく書かれている上、ストーリー展開が早いので、あっという間に読み終えてしまいました。
読み応えバッチリの、感動の物語でした。
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