2006年ルノドー賞受賞作家がアフリカの内戦をテーマに書いた力作
2007-01-20
Coup de coeur
「Les Petits–fils nègres de Vercingétorix」
著者 : Alain Mabanckou
出版社 : Point (Seuil)
ISBN-10 : 2757800663
ISBN-13 : 978-2757800669
表装 : ペーパーバック(11x1x18) 249頁
全体評価 :(5/5)
フランス語難易度 :(3/5)
読みごこち :(3/5)
* 上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい
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アフリカの架空の国、Viétongoが舞台の、この小説の語り手は、Hortense という一人の娘を持つ、母親。
北部にあるOwetoという町で生まれ育ったHortenseは、南部出身の高校教師と結婚し、夫の赴任先の南にあるBatalébéという町に移り住む。そして、Hortense は、市場で知り合った、Chrisriane という女性と親交を深める。
南部出身のChrisrianeは、Pointe-Rougeという町の郵便局に勤務していた折に知り合った、北部出身のGastonと結婚した後、Gastonの転勤のため、このBatalébéに引っ越してきたのだった。
その後、Hortense とChrisriane は、家族ぐるみの付き合いをするようになる。
ところが、北部出身で、選挙に敗れ、大統領の地位を失ったEdou 将軍が、義勇軍を率い、クーデターを起こし、南部出身の、Lebou Kaya大統領の率いる政府を覆す。
この事件をきっかけに、Viétongoは、南部出身者と北部出身者に分かれた、戦いの舞台となる。
「Mémoires de porc-épic」 で、2006年ルノドー賞を受賞した、Alain Mabanckou が、2002年に執筆した小説。
アフリカのフランス語圏の架空の国のお話ですが、著者の出身地であるコンゴの内戦を元に書かれているそうです。
でも、私は、この作品を読んだとき、莫大な数の犠牲者を出した、ルワンダの内戦を思い出しました。
一人の女性の回想という形で、仲良く、一緒に暮らしていた、南に住むものと北に住むものたちが、一握りの人々の私利私欲のため、踊らされ、憎しみ合い、殺し合いまで発展していく様子が、刻々と語られています。
又、それに合わせて、回りの人々に影響され、本当に大事なものが見えなくなってしまった彼女の回りの人々の姿、そして、そのため、人生をふみにじみられてしまった彼女の親友のChrisriane の姿が淡々と描写されていきます。
誰を糾弾、批判するではなしに、著者は、Hortense の口を借り、事の経過をクールに語りながら、人間の愚かさと、はかなさを読者に訴えかけます。
決して感情に走らず、落ち着いたトーンで、綴られているにも係わらず、ラストには、涙が止まりませんでした。
「Mémoires de porc-épic」より、私に、数倍強いインパクトを与えた作品です。
ルノドー賞により、この素晴らしい作家が脚光を浴びるようになったのは、大変うれしい事ですが、私は、受賞作より、作品の方が、個人的には好きです。
もちろん、これは私の私見にすぎませんが私は、あえて、Alain Mabanckou の作品を読んでみたいとお思いの方には、ルノドー受賞作の「Mémoires de porc-épic」を読む前に、この作品を先にお読みになる事をお勧めしたいと思います。
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