Lire en FETE - フランス語の本の読書ガイド

フランスの現代作家の小説、BD(フランス漫画)を中心に、私が読んだフランス語の本を紹介

お勧めフランス漫画シリーズ「パンドラボックス」最終巻

「Pandora Box, Tome 8 : L'espérance」

pandora 8
  ストーリー : Didier ALCANTE
 作画 : Didier Pagot
着色 : Christophe ARALDI
出版社 : Dupuis
ISBN-10 : 2800137487
ISBN-13 : 978-2800137483
表装 : ハードカバー(24x1x30)55頁


全体評価 : (4/5)
ストーリー : (4/5)
絵        : (4/5)
フランス語難易度 : (3/5)
読みごこち : (3/5)

* 上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい
* この表の見方はこちら



ジャーナリストのJackの所に、元大統領 Narcisse Shimmerのボディーガードをしていた男から、 
「大統領選挙の前日に死亡したNarcisse Shimmer大統領に関する秘密を知っている」
とのたれ込み電話が入る。

一方、Streamと名前を変えたShimmer夫婦に育てられた、Adam Streamは成人し、同棲中の恋人は、彼の子供を身ごもっているが、Adamは、訳の分からぬイライラに悩まされ、恋人の元を離れ、両親の住む、田舎の村を訪れる。
ところが、長雨により、村はずれにあるダムが決壊の危機にさらされており、村には、緊急避難警報が発され、村人を安全な場所へ、避難させるための措置が取られた。

パンドラボックスの最終巻。
この間は、第1巻の後日談となっており、この巻には、ギリシャ神話も、テクノロジーも織り込まれておらず、シリーズの今までの巻とは、少々違った趣となっています。 

これまで語られた7つのお話の結論と言えるような作品です。
2〜7巻までは、それぞれ違った漫画家が作画を担当していましたが、1巻と8巻は、Didier Pagot 氏が作画を担当しています。


1巻の作画も人物画には癖が感じられるものの、悪くなかったのですが、この8巻の背景のグラフィックはなかなかの出来です。
嵐、洪水、爆発と、漫画家泣かせの、描くのが非常に難しい、シチュエーションが続出するのですが、いやぁ、作画担当のDidier Pagot氏と、着色担当のChristophe ARALDI氏の才能には、脱帽。

凄く迫力を持って読者に迫ってくる絵です。

この巻では、今までのお話に必ず出現し、主人公達が辿る運命を予言した、老いた女の乞食の正体が、明らかになります。

運命や、定めに身をゆだねる事なく、自分の意思で、人生を切り開いてゆく事が『希望』に繋がる、という、著者が出した、結論には、感涙しました。

又、それを、人間が開発したテクノロジーにより生まれた、クローン人間が示しているというのにも、新しいテクノロジーを否定するのではなく、その使い方を考える事が『希望』に繋がるのではないか、という著者の考えが伺われる様な気がしました。

私がBDを読み始めたのは約1年半前、それから今までに、100冊余りのBDを読んできましたが、『これ!』といったシリーズ物に出合った事は今までありませんでした。
そんな中でこの「Pandora Box」は、初めて出会った、読み応えのある、シリーズ作でした。

単作の、優れた作品に出会う事は、時々あるのですが、シリーズ作品の場合、中の1冊が良く出来ていても、他の作品は・・・という物が多い中、堅固に構成されたストーリーに加え、かなり高いレベルの作画という、バランスの取れた、粒ぞろいの作品揃いの「Pandora box」シリーズは、群を抜いています。

とても、良く出来たシナリオなので、漫画にしておくのはもったいない、是非、ノベライズして欲しいなぁと思いました。

この、「Pandora Box」は、シナリオがしっかりとした、読み応えのあるBDを読んでみたいという方に、自信を持ってお勧めできる、シリーズです。

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