Lire en FETE - フランス語の本の読書ガイド

フランスの現代作家の小説、BD(フランス漫画)を中心に、私が読んだフランス語の本を紹介

化学兵器の持つ危険性がテーマのBD「パンドラボックス第7巻」

「Pandora Box, Tome 7 : La colère 」

panodora 7
  ストーリー : Didier ALCANTE
 作画 : Sébastien DAMOUR
着色 : USAGI
出版社 : Dupuis
ISBN-10 : 2800137479
ISBN-13 : 978-2800137476
表装 : ハードカバー(24x1x30)55頁
 

全体評価 : (4/5)
ストーリー : (4/5)
絵        : (3/5)
フランス語難易度 : (3/5)
読みごこち : (2/5)

* この表の見方はこちら


化学兵器と用いたテロに対処するため、アメリカは、化学兵器の研究に力を注いでいた。

アメリカ軍付属の研究所で化学兵器の開発にかかわる、女性科学者、Pam Gleam は、幼い頃、両親を交通事故で失くした忌まわしい思い出に、未だに悩まされていた。
ある夜、Pam は、同じ建物に住む、Timothyという少年とその父親と知り合いになる。
Timothyは、生まれつき、内臓器官の一部の膜に異常があり、医師から、誕生の際、余命は長くないと宣告を受けていた。 だが、治療の甲斐あり、奇跡的に、これまで、生き延びることに成功し、母親を交通事故で失くしたが、父親の愛を一身に受け成長していた。

その頃、マンハッタンの海で溺死体が見つかり、指紋から、死体がPam Gleam であると確認される。

又、アメリカ防衛庁付属の研究所でアンドロイド製造担当していた、 Alimighty所長は、コントロール不能に陥ったアンドロイドを回収しようと、全力を挙げていた。
そして、Alimightyは、捕らえたアンドロイドから、Pam に成り代わったアンドロイドが強力な化学兵器を盗もうとしている計画を知る。


パンドラボックス第7巻のタイトルは、「La colère (憤怒)」。
今回は、テクノロジーとして取り上げられているのは、「化学兵器」、そして、元になっているのは、「全てを与えられた」という意味の名を持ち、神々によって造られた最初の女性であり、好奇心に勝てずに開けてはならない箱を開けてしまった、パンドラの伝説です。

パンドラボックス」は、全巻読みきりタイプのお話からなるシリーズなのですが、この巻は、第6巻の「」の後日談となっているので、私は、第6巻を読んでから、この作品をお読みになる事をお勧めします。

人物の顔の描き方には、フランス漫画で良く見受けられる独特のくせがなく、とても好感が持てる絵柄です。又、背景の構図にも、漫画家のセンスのよさが表れています。

読み心地も、全体的には、それ程悪くないのですが、一部、技術的説明が集中しているページや、会議の部分は、ごちゃごちゃしていて、とても読みにくかったです。
この説明部分のページをもっと増やして、一つのコマのテキストを減らすか、又は、直接ストーリーに関係ないテキストを省くかして、一つのコマのテキスト部分をもう少し減らしたら、ずっと読みやすい作品になって、感動も一段と深まったのに・・・と、そこのところ、少々残念に思えました。

ストーリーは、第6巻の続きで、その後、自由の身になったアンドロイド達が、次々と仲間が捕まえられていくのに危惧し、強硬手段に出ようとします。

偶然の出来事の不幸な連鎖のために、人間が自分達が開発した、テクノロジーによって破滅に向かって行く様子を語ったストーリーは、近未来を舞台にしているにもかかわらず、リアリティーが感じられました。

パンドラボックスの今までの巻と同様、ラストが圧巻。

ラストのニューヨークの空の色が美しさが、とても切なく感じられました。

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