人工知能と、プロメテウスの神話を題材にした「パンドラボックス第6巻」
2006-12-16
Coup de coeur
「Pandora Box, Tome 6 : L'envie」

ストーリー : Didier ALCANTE
作画 : Alain HENRIET
着色 : USAGI
出版社 : Dupuis
ISBN-10 : 2800137460
ISBN-13 : 978-2800137469
表装 : ハードカバー(24x1x30)54頁
全体評価 :(5/5)
ストーリー :(5/5)
絵 :(4/5)
フランス語難易度 :(3/5)
読みごこち :(3/5)
* 上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい
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パンドラボックス第6巻は、近未来が舞台。
ICチップを製造する工場で働いている、Tiborは、同僚の信頼を集めている、リーダシップの持ち主。 ある日、工場で事故が起こり、Tiborは同僚達数人と共に感電してしまう。
そばにいた同僚がすぐに電源を切ったため、彼らの命に別状はなかったが、工場長は、念のために健康診断を受ける様に促す。
同僚が健康診断を受けている間、待合室で自分の順番を待っていたTiborは、同僚の叫び声を聞き、駆けつける。健康診断をしているはずの医師と、同僚がもみ合っているのを見たTiborは、彼の助けに入ろうとする。
『医師』達が、銃のような武器を持っているを見た、Tiborは、同じ工場で働いている恋人と共に工場を逃げ出す。
警察に助けを求めようとしたものの、Tibor達は、彼らが指名手配になっているのを知る。
『健康診断』に来た、医師たちが胸に着けていたサインペンに刻まれた『Synapse』という社名から、Tiborは、『Synapse』に関する情報を得、創業者兼社長のAlicia Skillの住所を探り出し、彼女のアパートに忍び込む。
Tiborらが待ち受けていたアパートに帰ってきたAlicia は、Tibor達に、
「彼らは、Synapse社により製造されたアンドロイドだ」
と告げる。
パンドラボックス第6巻のタイトルは、「L'envie「嫉妬」。
今回は、テクノロジーとして、「人工知能」があげられています。
そして、元になっているのは、人間に火を与えた為、ゼウスの怒りをかい、コーカサスの山の岩に鎖でつながれ、永遠に、はげ鷹に腹を引き裂かれ、肝臓をついばまれ続ける、という刑に処されたプロメテウスの伝説です。
フランスは、労使の力がとても強いので、労使対策は、フランスの経営者の頭痛の種。
そんな現状をうまく、ストーリーに折り込んだ、背筋の冷たくなるような、近未来が舞台のSFです。
漫画の方は、テキストが集中して多い頁と、絵のみの頁の2タイプのレイアウトを使い分けている、あまりお目にかかることのないタイプのスタイルで書かれた漫画です。
テキストが集中している頁は、読むが少々しんどかったですが、だらだらと読むところが多いページが初めから終わりまで続いている漫画に比べると、メリハリが利いて、作品全体が締まって見えるような気がしました。
とてもよく出来て、分かりやすいストーリーに加え、達者で迫力のあるグラフィック、パンドラシリーズはホント粒ぞろいの作品ばかり、と改めて感嘆しました。
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