バーチャル・リアリティーと、オルフェの伝説が題材のBD「パンドラボックス第4巻」
2006-12-14
Coup de coeur
「Pandora Box, Tome 4 : La luxure 」
ストーリー : Didier ALCANTE
作画 : Roland PIGNAULT
着色 : USAGI
出版社 : Dupuis
ISBN-10 : 2800136294
ISBN-13 : 978-2800136295
表装 : ハードカバー(24x1x30)48頁
全体評価 :(5/5)
ストーリー :(5/5)
絵 :(5/5)
フランス語難易度 :(3/5)
読みごこち :(3/5)
* 上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい
* この表の見方はこちら
特殊撮影を専門とする、製作会社の社長で、アカデミー賞、視覚効果賞を受賞した事のあるEwan Orfayは、ラグナ・ビーチを朦朧として、彷徨っているところを発見され、神経衰弱で、ハリウッドの名士を診察する事で有名な精神医Bridgeの病院に入院した。
妄想に悩まされているEwanは、うわごとで、Shannon という名を繰り返し叫んでいた。
ドクターBridgeは、Ewanの治療のためには、彼の過去を知る必要があると考え、Ewanに、過去を語るように促す。
Ewanは、バーチャル・セックス業界からの依頼を受け、ネットを通して、熱い体験が出来るニュータイプのソフトを開発していた。
そして、そのソフトを完成するためには、完璧にセクシーな女性を創り上げる事が不可欠だった。
試行錯誤を繰り返したが、なかなか意にかなうような女性を創り上げる事が出来なかったため、Ewanは、モデルの女性を探すため、ロサンジェルスのクラブを捜し歩き、ある日、Shannon という名の女性と出会う。
Ewanは、彼が開発中のソフトに、Shannon をモデルとして、使うことにし、二人の間には、愛が芽生えはじめたのだが・・・
パンドラボックス第4巻のタイトルは、「La luxure (色欲)」 で、主人公の名前から分かるように、元になっているのは、オルフェとユーリディスの伝説で、テクノロジーとしては、バーチャル・リアリティー(仮想現実感)が、取り上げられています。
ストーリーは、いままでの巻同様、文句のつけようのない程の出来。
又、グラフィックの方も、既成のBDに囚われない、大胆なレイアウトを屈指しており、読み応え満点の作品に仕上がっています。
テーマがバーチャル・リアリティーなので、読者の理解を仰ぎ、作品に信憑性を持たせるために、技術的な説明を入れる事が不可欠なため、多少、説明的なテキストが多くなっていますが、読みごたえのあるストーリーに加え、漫画化の仕方が良く出来ているので、テキスト部分が多い漫画が苦手な私でも、苦なく読む事が出来ました。
又、シチュエーションに応じ、色々なタイプのページレイアウトを駆使して漫画化されているので、変化に富み、読んでいて、快いリズム感が感じられる作品に仕上がっています。
又、人物、背景とも、丁寧に書かれているので、その点も、大満足のお勧めなフランス漫画です。
ストーリーの方は、オルフェのお話を下敷きにしていることから、想像出来るように、悲しい恋の物語なのですが、バーチャル・リアリティーにからめて、とても上手に料理されていました。
情感たっぷりで、とっても良かったです。
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