Lire en FETE - フランス語の本の読書ガイド

フランスの現代作家の小説、BD(フランス漫画)を中心に、私が読んだフランス語の本を紹介

元モデルのフランス女流作家によるパズルのような小説


famille
   「Cet effrayant besoin de famille」
 著者 : Stéphanie Janicot
出版社 : Albin Michel
ISBN-10 : 2226172270
ISBN-13 : 978-2226172273
表装 : ソフトカバー(14x2x20)244頁


全体評価  : (4/5)
フランス語難易度 : (3/5)
読みごこち : (4/5)


* 上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい
* この表の見方はこちら



スペイン生まれで、現在パリで、シルバーエイジの演劇サークルを指導しながら、バーでウェトレスをして生計を立てている、主人公のSanta Maria Albaranは、40歳に手が届く元女優兼モデル。

社会的に地位のある男にプロポーズされた経験があるが、彼女は結婚に踏み切れず、いまだにパリ、レアールのアパートで一人暮らし。

彼女の父Pabloは、彼女の母Michèle Robinと結婚する前に、結婚したMonique Girodとの間に、Vincent、 Béatriceという男女そして、ローマ滞在時に同棲していたGrazekka Noza との間に、 Gianlucaという男の子を儲けていた。

一人っ子で、常に兄弟にあこがれていたSanta だが、父の葬儀の際に会った、高級官僚のVincentと、美容整形医と結婚したBéatriceの態度に、戸惑いを感じる。

イタリアに住む、Gianlucaと、その息子Marcantonioとは、心を通わせる事が出来たが、相続に絡まるごたごたに巻き込まれたSantaは、Vincentと
Béatriceに押され、それから長い間良心の呵責に悩まされる決断を下してしまう。


血縁関係が今回の Stéphanie Janicot の作品のテーマ。
ストーリーは、2004年の『現在』と、10年前の1994年の間を何度も行き来します。

1章の長さは短くて読みやすいのですが、章が変わるたびに主人公と時代が変わるので、初めのうちは少々戸惑い気味。
作中人物の関係もちょっと込みいっているので、何度も本の冒頭についている系列表を見ながら、読み進めました。

この小説は、ジグゾーパズルの様に構成されているみたい。
はじめのうちは、ばらばらなパーツのどれとどれとがかみ合うのか、良く分からないけれど、読んでいるうちの、それぞれが繋がりを見せ、少しずつ著者の意図するところが明らかになって行きます。

私が以前に読んだ、同じ著者により書かれた作品
「La constante de Hubble」や、「Tu n'est pas seul(e) à être seul(e)」に比べると、初めのうちは、少々とっつきにくい感じがする作品ですが、すべてのお膳立てが揃ったところから、物語が急に進展し、気分爽快のラストまで一気に読者を導いて行きます。

普通の家庭に生まれて、兄弟に恵まれた私には、「家族(血族)」にこれほど熱い憧れを抱いているヒロインの思いには、理解しがたいものがありますが、そんな私にも、彼女の気持ちが痛いほどわかり心がきりきり音を立てて痛みました。

Stéphanie Janicot の作品はこれで3作目ですが、この人は、本当に心理表現に長けている作家だと、改めて感嘆しました。
著者は、心理表現に長けているだけでなく、ストーリーテラーの才能もあるので、とても読み応えのある作品に仕上がっています。

そうそう、「La constante de Hubble」に登場した女性弁護しのAlmaがちょい役で、顔を出しています。

Stéphanie Janicot  さんの作品は、これで3作目ですが、彼女は、お気に入りの作家の一人になりました。
ああ、それから、これは、蛇足になりますが、
著者は、モデルから小説家に転職したそうです。
天は、ある人にはニ物も三物も与えるって、本当のようですね。

 
Stéphanie Janicot の他の著作に関する記事

 | HOME | 

文字サイズの変更

INDEX

全記事表示

著者名索引

カテゴリー 別索引

お勧めのフランス語の本

多読向きのフランス語の本


Lemon.fr へメッセージを送る


プロフィール

lemon.fr

Author:lemon.fr
日本語の本が入手しづらい環境にありながら、活字中毒症から抜け出す事が出来ないため、フランス語の本を読んでいます。
Lemon.frのもっと詳しいプロフィールを見る


私が実際読んでみて感じたままに、独断と偏見で評価しています。
もし、あなたの評価と違ったらごめんなさい。m(_ _)m


このブログはリンクフリーです。事前に承諾をとらなくて結構です。 
でも、「リンクしたよん」と言って頂けると、とっても嬉しいので、お暇がありましたらご連絡下さい。

本ブログでは、コメント、TBは受け付けておりません。ご意見は、こちらから、お願いします 

本ブログの記事を、引用、転記する場合には、引用元を必ず明記下さるようお願いします。

star



ブログ内検索

ソーシャルブックマーカー


SEO対策

リンク

このブログをリンクに追加する

お勧めのフランス語の本

私のお気に入りフランス映画

RSSフィード

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

カテゴリー

月別アーカイブ

05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  08  06 

青空文庫新着(本棚)

今日のレシピ

ホームページ アフィリエイト レンタルサーバーFC2ブログ 専門学校

Template by たけやん