フランス人写真家の苦労に満ちたアフガニスタン紀行を描いた写真入り漫画
2006-10-21
「Le photographe, Tome 3」
* 上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい
* この表の見方はこちら
遠回りをしてパキスタンへ帰る、MSFのスタッフとは行動を別にし、一人でガイドと帰途へ着く事を決心したLefèvre氏。
Lefèvre氏は、Julietteから手配してもらった、ガイドと共にYafral-é-Pâyanの村へ着き、村の有力者、Bassir Khanに丁重なもてなしを受けますが、翌日になると彼のガイドと馬が見当たらない事に気がつきます。
すぐにでも出発したい Lefèvre氏は、Bassir Khanに掛け合いますが、言葉のせいで、完全な意思の疎通が図れません。イライラする気持ちを抱え、せつ(フルンケル)に悩まされながら、Lefèvre氏は、村で足止状態。
4日目に、MSFのスタッフが、Yafral-é-Pâyanに到着。 彼らも帰りの行程で、同じ村に立ち寄る事になっていたのでした。 Julietteの通訳により、やっとの事で、Lefèvre氏は、4人のガイドと馬を確保する事が出来、帰途に着きます。
のろのろと、道を歩く、4人のガイドに、イライラし、思うように意思疎通を図る事が出来ないLefèvre氏と、ガイドのアフガニスタン人との間に出来た溝は深まるばかり。
そして、疲れ果てた Lefèvre氏は、Kalotacのコルの麓で、ソビエト軍の爆撃を避けるため、夜のうちにコルを越えるというガイドに反対し、一休みして、夜明けにコルを越えようと主張します。
ところが、次に日の明け方目を覚ましたLefèvre氏は、彼と彼の馬と荷物を残して、ガイド達が出発してしまったのに気がつきます。
一人で、コルを越えなけばならなくなったLefèvre氏は、自分が荷物を馬にくくりつける事さえ、満足に出来ない事に初めて気がつきます。
やっとの思いで、馬に荷をくくりつけ、山道にさしかかりますが、すぐに荷物はズレ落ちてしまい、また、やり直し、そんな事を何度も繰り返しながら、山道を登ってゆくうちに雪が降り始めます、すれ違ったキャラバンに、助けを求めたものの、彼らも自分達の事で、精一杯。
それでも、Lefèvre氏は、なんとか、馬を引きながら山道を登っていくのですが、ついに、馬が歩くのを拒否する様になります。仕方がないので、緊急用の毛布と寝袋を身体に巻きつけ、雪の中、ビヴォワックする事にします。
自分の命もこればかり、自分が最後に見た風景を残しておこうとして、写真を撮ります。
奇跡的な事に、Lefèvre氏は、偶然、通りかかったキャラバンに救われます。
そして、彼の苦労はこれで終わったように思えたのですが・・・
「Le photographe」の最終巻。
第2巻の最後で、MSFの医師の言葉に触発されたLefèvre氏は、Julietteを説得し、一人でパキスタンまで帰る事に決意しました。
この第3巻では、その信じられない程の困難に満ちた帰途の様子が語られます。
第2巻もかなり迫力があった作品ですが、この3巻もそれに劣らない迫力に満ちた作品でした。
客観的にみると、Lefèvre氏の受難は、彼のアフガニスタンという国に対する理解の浅さと、言葉も満足に出来ないのに一人でパキスタンまで帰るという無謀さから来ているものだと思います。
だけど、そんな無謀な行為の結果のおかげで出来たこの作品は、ちょっとそこらのルポではお目にかかれない迫力を持っています。
自分の身、命をかけた経験を持って、アフガニスタンという国がどういうものであるかを、読者の目に焼きつける事に成功した作品です。
写真の迫力もさることながら、Guibert 氏のグラフィックも凄い。
Lefèvre 氏が死の一歩手前まで、という所に追い詰められたKalotacのコルでの描写は、Lefèvre氏の辛酸を見事に表現しているだけでなく、美的センスにも優れており、シンプルだけど悲しくなるほど美しく、読む者の混胸を打ちます。
巻末のノートによると、この旅行中にかかった、せつ(フルンケル)と栄養不足等のため、Lefèvre氏は、フランスに帰ってから14本歯を抜く羽目になったそうです。
この作品が出版されるのに、Lefèvre氏がパキスタンから帰国してから、10数年以上も待たなければならんかったのは、そんなLefèvre氏の健康状態のせいかもしれませんが、もう少し早く日の目を見ていたら、この作品の国際的な評価がもっと高まったのではないかと、その点が少し残念に思われました。
又、これだけの力作に、ちょっと要求すぎになってしまうかもしれませんが、私には、フランス人から見たアフガニスタンのみが語られ、アフガニスタン人の見解について全く触れられていないのが、少々不満でした。
自分の事だけで、精一杯、という状況下の事なので、仕方がない事かもしれませんけれど、Lefèvre氏からしてみれば、憤慨もののアフガニスタン人の行為も、きっと彼らからしてみれば、それなりの理由があるはず、それを理解しようとする姿勢があまり感じられなかったのが私にはとても残念に思えました。
でも、ニュースでは報道される事のない、中から見たアフガニスタン、そして、MSFのスタッフの偉大な業績を身近に観察した貴重な記録を、アート的にも優れた形で表現した、漫画です。
「ショックな映像が出てきます」との但し書きが付いているので、私は、見ていませんが、
第2巻でカメラを持った Juliette が出てきますが、この本には、Julietteが当時撮影したフィルムを編集したDVDがついています。
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ストーリー : Lefèvre
作画 : Guibert
編集 : Lemercier
出版社 : Dupuis
ISBN-10 : 2800135441
ISBN-13 : 978-2800135441
表装 : ハードカバー(24x1x32) 80頁
全体評価 :(3/5)
ストーリー :(3/5)
作画 :(4/5)
フランス語難易度 :(2/5)
読みごこち :(3/5)
* 上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい
* この表の見方はこちら
遠回りをしてパキスタンへ帰る、MSFのスタッフとは行動を別にし、一人でガイドと帰途へ着く事を決心したLefèvre氏。
Lefèvre氏は、Julietteから手配してもらった、ガイドと共にYafral-é-Pâyanの村へ着き、村の有力者、Bassir Khanに丁重なもてなしを受けますが、翌日になると彼のガイドと馬が見当たらない事に気がつきます。
すぐにでも出発したい Lefèvre氏は、Bassir Khanに掛け合いますが、言葉のせいで、完全な意思の疎通が図れません。イライラする気持ちを抱え、せつ(フルンケル)に悩まされながら、Lefèvre氏は、村で足止状態。
4日目に、MSFのスタッフが、Yafral-é-Pâyanに到着。 彼らも帰りの行程で、同じ村に立ち寄る事になっていたのでした。 Julietteの通訳により、やっとの事で、Lefèvre氏は、4人のガイドと馬を確保する事が出来、帰途に着きます。
のろのろと、道を歩く、4人のガイドに、イライラし、思うように意思疎通を図る事が出来ないLefèvre氏と、ガイドのアフガニスタン人との間に出来た溝は深まるばかり。
そして、疲れ果てた Lefèvre氏は、Kalotacのコルの麓で、ソビエト軍の爆撃を避けるため、夜のうちにコルを越えるというガイドに反対し、一休みして、夜明けにコルを越えようと主張します。
ところが、次に日の明け方目を覚ましたLefèvre氏は、彼と彼の馬と荷物を残して、ガイド達が出発してしまったのに気がつきます。
一人で、コルを越えなけばならなくなったLefèvre氏は、自分が荷物を馬にくくりつける事さえ、満足に出来ない事に初めて気がつきます。
やっとの思いで、馬に荷をくくりつけ、山道にさしかかりますが、すぐに荷物はズレ落ちてしまい、また、やり直し、そんな事を何度も繰り返しながら、山道を登ってゆくうちに雪が降り始めます、すれ違ったキャラバンに、助けを求めたものの、彼らも自分達の事で、精一杯。
それでも、Lefèvre氏は、なんとか、馬を引きながら山道を登っていくのですが、ついに、馬が歩くのを拒否する様になります。仕方がないので、緊急用の毛布と寝袋を身体に巻きつけ、雪の中、ビヴォワックする事にします。
自分の命もこればかり、自分が最後に見た風景を残しておこうとして、写真を撮ります。
奇跡的な事に、Lefèvre氏は、偶然、通りかかったキャラバンに救われます。
そして、彼の苦労はこれで終わったように思えたのですが・・・
「Le photographe」の最終巻。
第2巻の最後で、MSFの医師の言葉に触発されたLefèvre氏は、Julietteを説得し、一人でパキスタンまで帰る事に決意しました。
この第3巻では、その信じられない程の困難に満ちた帰途の様子が語られます。
第2巻もかなり迫力があった作品ですが、この3巻もそれに劣らない迫力に満ちた作品でした。
客観的にみると、Lefèvre氏の受難は、彼のアフガニスタンという国に対する理解の浅さと、言葉も満足に出来ないのに一人でパキスタンまで帰るという無謀さから来ているものだと思います。
だけど、そんな無謀な行為の結果のおかげで出来たこの作品は、ちょっとそこらのルポではお目にかかれない迫力を持っています。
自分の身、命をかけた経験を持って、アフガニスタンという国がどういうものであるかを、読者の目に焼きつける事に成功した作品です。
写真の迫力もさることながら、Guibert 氏のグラフィックも凄い。
Lefèvre 氏が死の一歩手前まで、という所に追い詰められたKalotacのコルでの描写は、Lefèvre氏の辛酸を見事に表現しているだけでなく、美的センスにも優れており、シンプルだけど悲しくなるほど美しく、読む者の混胸を打ちます。
巻末のノートによると、この旅行中にかかった、せつ(フルンケル)と栄養不足等のため、Lefèvre氏は、フランスに帰ってから14本歯を抜く羽目になったそうです。
この作品が出版されるのに、Lefèvre氏がパキスタンから帰国してから、10数年以上も待たなければならんかったのは、そんなLefèvre氏の健康状態のせいかもしれませんが、もう少し早く日の目を見ていたら、この作品の国際的な評価がもっと高まったのではないかと、その点が少し残念に思われました。
又、これだけの力作に、ちょっと要求すぎになってしまうかもしれませんが、私には、フランス人から見たアフガニスタンのみが語られ、アフガニスタン人の見解について全く触れられていないのが、少々不満でした。
自分の事だけで、精一杯、という状況下の事なので、仕方がない事かもしれませんけれど、Lefèvre氏からしてみれば、憤慨もののアフガニスタン人の行為も、きっと彼らからしてみれば、それなりの理由があるはず、それを理解しようとする姿勢があまり感じられなかったのが私にはとても残念に思えました。
でも、ニュースでは報道される事のない、中から見たアフガニスタン、そして、MSFのスタッフの偉大な業績を身近に観察した貴重な記録を、アート的にも優れた形で表現した、漫画です。
「ショックな映像が出てきます」との但し書きが付いているので、私は、見ていませんが、
第2巻でカメラを持った Juliette が出てきますが、この本には、Julietteが当時撮影したフィルムを編集したDVDがついています。
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