フランスでの企業内いじめがテーマの推理小説
2006-10-12

「Les morts ne parlent pas 」
著者 : Bénédicte Des Mazery
出版社 : ANNE CARRIERE
ISBN-10 : 2843373026
ISBN-13 : 978-2843373022
表装 : ソフトカバー(16x3x24) 240頁
全体評価 :<3/5)
フランス語難易度 :(3/5)
読みごこち :(4/5)
* 上記評価は、個人的な物なので、あくまでも目安としてご参考下さい
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愛するClaire に去られてから、アルコールと縁を切り、レモン清涼飲料水を毎日浴びるようにに飲んでいるFabio Jacovetti 警部が、この作品の主人公。
書籍の卸倉庫で、死体が発見された。殺されたのは、倉庫の最高責任者のSergio Marsini。奇妙な事に、ナイフで何度も刺された跡がある死体の唇は、クロスステッチで縫われていた。
この事件を担当したJacovetti 警部は、関係者の聞き込みにより、被害者が、部下にあからさまな嫌がらせをするため、部下から忌み嫌われ、恐れられている事を知る。
そして、2日後、大手スーパーEnvilの香水売り場の現場主任のFrançois Kantors が、キャディーの中で殺されているのが見つかる。そして、彼の唇もクロスステッチで縫われていた。彼も又、部下いじめの常習犯だった。
これ以上、殺人が起こるのを防ぐため、全力を挙げ捜査に当る警察は、次第に、陰湿な企業内いじめの実態に直面する事になる。
フランスでも数年前から、話題になり始めた、企業内いじめをテーマとした、サスペンス小説。
作品中、フランスの企業で、起こった上司による部下いじめの実態が登場しますが、その陰険な手段には、怒りの念を禁じえませんでした。
失業率が高く、陰湿な嫌がらせを受けても、訴えたり、転職したりする事が出来ないため、ノイローゼになったり、自殺したりするサラリーマンがあとを絶たないそうです。
労働者の権利が日本に比べると段違いに確立されているフランスでさえ、この手のいじめは、実証するのが難しいことから、泣き寝入りに終わってしまう事が多いとの事。
この小説では、泣き寝入りせずに、上司を裁判で訴え、訴訟に勝った元サラリーマンが作ったいじめ救済サークルが登場してきます。
このようなフランスの企業いじめをテーマに、殺人事件を捜査する刑事達の私生活織り込んだ、堅実なサスペンス。
あ、という驚きや、派手さは、ありませんが、こじんまりと、良くまとまった作品に仕上がっています。





