大人になりかけた子供に読ませたいフランスの小説
2006-10-10
Coup de coeur

「Cahier rouge」
著者 : Claire Mazard
出版社 : Syros
ISBN-10 : 2841468496
ISBN-13 : 978-2841468492
表装 : ソフトカバー(1x12x21)76頁
| 本の全体評価 | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() | お勧め |
|---|---|---|
| フランス語難易度 | ![]() ![]() | 易しい |
| 読みごごち | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() | ラクラク・すらすら読めました |
医学生のHugoは、ある日、見知らぬ男の訪問を受ける。
彼は、かつて、Hugoが両親と暮らしていた家を買い取り、引っ越してきたのだが、地下室に、Hugoの家族の忘れ物を見つけて届けに来たのだった。
包みの中には、17歳の時、バイクで事故死した彼の弟により、したためられた、赤いノートが入っていた。
ノートの中には、色々な小説からの引用が、書き連なられていた。
その中に、フランスワーズ、サガンの
「自殺を事故死にみせかてるのは、最低限の礼儀だ」
という、言葉を見つけたHugoは、弟、Davidの過去を探りはじめる。
そして、Hugoは、自分理解しているたと、思い込んでいた弟の事を、実は、全く知らなかった事に気づく。
中学生の息子が、フランス語の授業の教材として、現在使用している本。
おもしろそうなので、彼がテレビゲームに夢中の時に拝借して読みました。
とても短く、超読みやすかった本ですが、その割りに、中身はとても重く、考えさせられる内容です。
子供向けのシリーズに入っているけれど、中学生以上にならないと、多分理解できないと思われる、中々、重く、複雑なテーマを扱っています。
凝った文章や、洗練された単語を使用せず、易しい単語、簡単な構成の文のみで書かれているにも関わらず、鋭敏で、感受性がとても高く、大人が読んでも、十分読み応えのある作品に仕上がっています。
上記の評価の表で、「とても易しい」にしようか、「易しい」にしようか、とても迷いました。 漫画などに比べると読むところが多くて、短編集に比べると作品の長さがほんの少し長いので、「易しい」にしましたが、とても読みやすい作品でした。
読むものの心に入り込み、深く考えさせられてしまう作品です。
Davidと、Hugoの気持ちが手に取るように伝わり、心に、いくつもの波紋を投げかけます。
この本を読んで、私は、子供の教育に関して、少々考えを改めさせられました。
こんな作品を授業で読むことが出来るなんて、フランス人の子供たちは果報者です。
子供はもちろんの事、大人と子供の境目の年代のお子様をお持ちの方にも、是非お勧めしたい1冊です。





